【油絵の具 赤】種類と特徴

油絵

油絵を描いていると赤を使いたくなる場面がありますが赤にも実に色々な種類と特徴があります。

オレンジがかった赤、赤の中の赤!?、紫がかった赤、ピンクがかった赤、深みのある赤等々・・

また具象画、抽象画を問わず赤は暗い色の中の差し色としての役割を果たすこともあります。

またクリムゾン系、ローズ系の赤は透明度が高いのでグレージング技法にも向いています。

ここでは主にそういう油絵の具の赤についてその種類と特徴を見ていきたいと思います。

画像と油絵の具情報(その赤の透明度、使用顔料、乾燥日数など)は

★うちのアトリエにある油絵の具の赤(メーカーは色々です)の記号表記

★うちのアトリエに無いものはホルベイン公式サイトから色見本と記号を引用させていただく

というかたちで書いております。

 

LINEで親身な個別指導、できた作品はユーチューブ(ページ下)で紹介。

油絵基礎マスターコースプラス

LINEで親身な個別指導、出来た作品はユーチューブ(ページ下)で紹介

お好きな画材コース

無料体験レッスン お問い合わせはLINEから

友だち追加

 

油絵の具 赤の色味による種類分け

各メーカーが色々な種類の油絵の具の赤を独自に開発していますので画材屋さんや色々なカタログで検討してみるのが一番と思いますが予め主な赤の種類と特徴を知ってから選ぶのも効率的かと思います。

またお値段も気になるところですが、、

油絵の具には大体おしなべて絵の具の側面にシリーズ名(A,B,C・・)が表記してあります。

Aシリーズが一番リーズナブルで I がおそらく最高と思われます。

そしてその I シリーズはオレンジ系赤であるバーミリオンです。

 

油絵の具 オレンジ系の赤の種類

油絵の具のオレンジ系(朱色系)赤には大体次のような色があります。

バーミリオン(バーミリオンヒュー)

カドミウムオレンジ

・パーマネントオレンジ

・ピロールオレンジ

「ヒュー」というのは顔料に毒性があったり高価だったりする時に別の顔料を複数組み合わせて近似させたもので比較的リーズナブルです。(といってもアクリルよりは高いですが)

「パーマネント」がつくのは色の変化が無いように開発されたものだと思ってください。

 

油絵の具 真っ赤な赤の種類

いわゆる「赤」という感じの赤の種類です。

とはいえこれにも朱色がかった赤と少し紫がかった赤など微妙な違いがあります。

クサカベの初心者セットにはピュアレッドが入っていたりします。

ホルベインには何故か油絵セットにも透明水彩24色セットにも「いわゆる赤」が入ってません。

この種類の赤には

チャイニーズレッド

・カドミウムレッド

・ピュアレッド

・ピロールレッド   などがあります。

 

油絵の具 落ち着いた感じの赤の種類

この種類の赤は意外と使いたいと思う場面が多いかと思います。

この種類の赤は人によって感じ方が違うかもしれませんし、紫がかった赤と被るかもしれませんが・・

・キナクリドンレッド

・アントラキノンレッド

・ペリレンレッド   などがあります。

 

油絵の具 紫系の赤の種類

この種類の赤は例えばホルベインの初心者セットにも入っているクリムゾンレーキなどがよく知られています。

・アリザリンクリムゾン

・クリムゾンレーキ

・カーマイン    などがあります。

 

油絵の具 ピンク系・ローズ系の赤の種類

油絵で花(バラなど)を描きたいときなどはこのピンク系、ローズ系は欠かせないかもしれません。

油絵の具の赤に白を混ぜてピンクにしても良いのですがやはり混色するより最初からそういう色があれば彩度を落とすことなく表現できますよね。

・ピンクマダー

・ローズマダー

・キナクリドンオペラ   などがあります。

【油絵 バラの描き方】~カマイユ技法を使って描いてみる~
油絵バラの描き方~カマイユ技法とは~あなたの作品をユーチューブ(ページ下)で紹介するオンライン絵画教室油絵基礎マスターコースプラスお好きな画材コースお問合せや1か月間無料体験レッスンご希望の方はLINEお友達登録から油絵でバラの描き方を考え...

 

では油絵の具のそれぞれの種類の赤の特徴を順番に見ていきましょう。

油絵の具 オレンジ系の赤 その種類と特徴

バーミリオン

バーミリオンは昔ながらの「朱色」に近い色です。

不透明なので下を隠したい、描き直ししたいときには助かりますよね。

ですがバーミリオンという赤はホルベインの I シリーズ20mlチューブのお値段は税込み4000円となっていて最も高価な油絵の具です。

使用顔料:PR106、不透明、乾燥所要日数4日前後、耐光性★、シリーズ I

高価な理由は顔料の主成分である硫化水銀が貴重なためです。

そして意外と耐光性が無いですね。

この硫化水銀は毒性もあるため普通はAシリーズの「ヒュー」(合成顔料)で十分かと思います。

うちの教室でも生徒さんにはヒューを使ってもらっています。

バーミリオンヒュー

これがホルベインのバーミリオンヒューです。実際はもっと明るいオレンジっぽいです。

使用顔料:PY139,PO73,PR254、半透明、乾燥所要日数2日前後、耐光性★★、シリーズA

本物より乾きが速いというのは嬉しいですが半透明なので下の色の影響を受けますね。

カドミウムオレンジ

カドミウムレッドなどカドミウム系油絵具は鮮やかな発色と不透明さが特徴です。

カバー力があればやり直ししたい時に助かりますよね。

だけどこれはシリーズEなのでやはり高いです・涙・

また油絵の具のカドミウム赤、オレンジ、黄は毒性ありのように言われることもありますが絵の具に使われているのは公害問題の金属そのものではなく人体への影響は基本的にはあまり無いようです。

勿論使ったあとはちゃんと手を洗うようにしましょう。

使用顔料:PO20、不透明、乾燥所要日数5日前後、耐光性★★★(堅牢)、シリーズE

アゾレッド

これはターレンスのアゾレッドです。

ホルベインのバーミリオンヒューとかなり近い色味です。

アゾ顔料は有機顔料の一種で種類が多く価格も比較的安いことからあらゆる場面で多く用いられています。

使用顔料:PO34,PR57、半透明、乾燥所要日数不明、耐光性★★、シリーズA

 

油絵の具 赤らしい赤 その種類と特徴

カドミウムレッド

カドミウムレッドカドミウムオレンジ同様鮮やかな発色と不透明さが特徴です。

カバー力があるのでやり直したいときにも便利ですね。

乾燥は遅いと思いますが堅牢な油絵の具です。

但しシリーズEは20mlで1800円くらいします・・

使用顔料:PR108、不透明、乾燥所要日数5日前後、耐光性★★★(堅牢)、シリーズE

ピュアレッド

これはクサカベの油絵の具ピュアレッドです。

本当にいわゆる「赤」という感じの赤実際はこの写真よりももっと鮮やかです。

*顔料名の横にナフトールレッドと書いてあります。

乾燥は遅いほうですね。冬場に使うときはペインティングオイルクイックドライなどオイルで調節したほうが良いかもです。

上から色を被せる場合は十分に乾燥させてからにします。

使用顔料:PR170、半透明、乾燥所要日数5日前後、耐光性★★★★(絶対堅牢)、シリーズA

チャイニーズレッド

ピュアレッドに比べやや朱色がかった「派手な」赤です。

何故チャイニーズレッドという名前がついたのか分かりませんが本当に中国を連想する赤です。

使用顔料:PR188、半透明、乾燥所要日数4日前後、耐光性★★(比較的堅牢)、シリーズB

ルージュ・プリミエール(廃盤)

これは「ルフラン&ブルジョワ」社のルーブルというシリーズ名の油絵の具です。

元々昔からフランスのルフランといえば「ルフランの絵の具を惜しげもなく塗る」などという表現があったくらい高級な油絵の具メーカーとして有名でしたがそれほど高くないシリーズもあったりしてその中にこれが入っていたのですが今は製造を中止している模様です・泣・

何ともいえないルージュのようなオシャレさが気に入って差し色として大事に使ってます。

使用顔料:PR170,PV19、半透明、乾燥所要日数3日前後、耐光性★★(比較的堅牢)、シリーズM

油彩30㎝×30㎝

LINEで親身な個別指導、できた作品はユーチューブで紹介。

油絵基礎マスターコースプラス

LINEで親身な個別指導、出来た作品はユーチューブ(ページ下)で紹介

お好きな画材コース

無料体験レッスン お問い合わせはLINEから

友だち追加

 

油絵の具 紫系の赤 その種類と特徴

油絵の具の紫がかった赤は透明度が高く、グレーズ(グレージング)技法に向いているという特徴があります

そのシックな感じは絵心をくすぐられますね。

ローズ系の赤の陰色として使うこともできます。

 

グレージング技法 油絵で描く 11のステップ秘密のやりかた
油絵の魅力のひとつに「グレージング技法」というのがあります。この記事では油絵のグレージング技法の意味と実際のやり方について解説しています。油絵の数々ある技法のうちでグレージング(グラッシともいう)もかなり魅力的な技法のひとつではないでしょう...

 

クリムゾンレーキ

これは10年以上前のホルベインのクリムゾンレーキです。

私この色が好きでレッスン動画でも使っていますがチューブには下記のように表示してあります。

使用顔料:PR177透明、乾燥所要日数5日前後、耐光性★★★(堅牢)、シリーズA

現在のホルベイン公式サイトによると色味はほぼ変わってないのですが使用顔料が2種類になっていて質が??どうかは分かりませんが乾燥は速くなっているようです。

使用顔料:PR177,254 透明、乾燥所要日数2日前後、耐光性★★★(堅牢)、シリーズA

アリザリンクリムゾン

これはターレンスの油絵の具の赤 アリザリン・クリムゾンです。

ホルベインのクリムゾンレーキに比べやや赤みがある感じがします。

同じメーカー同士で比べないと意味がないのかもしれませんがホルベイン公式サイトの色見本でもアリザリンのほうがやや赤いような気がします。

このターレンスのアリザリンクリムゾンは

使用顔料:PR83 透明、乾燥所要日数不記載、耐光性★★(やや堅牢)、シリーズS

因みにホルベインのアリザリンクリムゾンは

使用顔料:PR83 透明、乾燥所要日数5日前後、耐光性★★★(堅牢)、シリーズB

という特徴があります。

乾燥が遅いので下描きには向いてませんね。

グレーズなどの薄い上塗り専用と思っていたほうが良いかもしれません。

カーマイン

カーマインという赤色ほどわからない色は無いというのが私の正直な感想です。

色鉛筆にしてもメーカーによってかなり色味が違います。

これはホルベインの色見本です。

右の薄い部分は結構赤いという特徴がありますよね?

使用顔料:PR177,254 透明、乾燥所要日数2日前後、耐光性★★★(堅牢)、シリーズB

クリムゾンレーキと同じ顔料です。量の組み合わせが違うのですね、多分。

クリムゾンとカーマインは語源が同じだとかで時にクリムゾンレーキと同じと解釈されることもあるようです。

因みにこれはルーブル(ルフラン&ブルジョア)の油絵の具カーマインですがかなり紫っぽいと感じます。

ともかく紫がかった深い赤、深紅、といったところですね。

このルーブルの場合は

使用顔料:PR12 半透明、乾燥所要日数不記載、耐光性★★(やや堅牢)、シリーズM

と表記されています。

 

油絵の具 深い赤  その種類と特徴

紫系の赤の油絵の具も深いと言えますがまた違った深さを持つ赤の油絵の具とその特徴を挙げてみます。

ペリレンレッド

ペリレンレッド少し茶系も入っているような深さで落ち着いた赤です。

使ったことはありませんがこの色は人物の服の色やインテリアにありそうな感じですね。

赤い色の花の陰色として彩度を落としたい時などにも使えそうです。

乾燥は意外と速いですね。

堅牢で良いですがDシリーズで20ml1000円以上です・

使用顔料:PR149 透明、乾燥所要日数2日前後、耐光性★★★(堅牢)、シリーズD

キナクリドンレッド

キナクリドンレッドペリレンレッドより少し紫がかった赤の油絵の具です。

乾燥は意外と速いですね。

使用顔料:PV19 透明、乾燥所要日数2日前後、耐光性★★★(堅牢)、シリーズD

アントラキノンレッド

アントラキノンレッドペリレンレッドとキナクリドンレッドの中間といった感じでしょうか?

私個人的にはこれが一番好きかな、と思います。

服もこういう色と黒の組み合わせが好きです。

使用顔料:PR177 透明、乾燥所要日数2日前後、耐光性★★★(堅牢)、シリーズC

お値段は上2つの赤より少し安いですね。

20mlで700円ほどです。

 

油絵の具 ローズ系・ピンク系の赤  その種類と特徴

油絵で花を描きたい、と思う人には必須かもしれません。

勿論その他にも色々な使い道はあると思いますが。

ローズマダー

これはクサカベのローズマダーです。

「カマイユ技法で描くバラ」で使っています。

マダー系の落ち着いた色味はとても良い感じですよね。

madderとは茜という意味です。

使用顔料:PR83,PR187 透明、乾燥所要日数4日前後、耐光性★★★(堅牢)、シリーズ記載なし

因みにPR83とはアリザリンレーキ、PR187とはナフトールレッドです。

2種類の顔料が使ってあるので彩度が落ちて「落ち着いた感じ」が特徴になっているのかもしれませんね。

キナクリドンローズ

これはターレンスキナクリドンローズです。

使用顔料:PV19、透明、乾燥所要日数記載なし、耐光性★★★(堅牢)、シリーズ1

クサカベのローズマダーに比べて単一顔料で随分と華やかですね。

ホルベインには似た色としてキナクリドンマゼンダがあります。

ピンクマダー

ピンクマダー落ち着いたピンク系赤の油絵の具です。

あまり派手な絵にしたくないけどピンク系が必要な時に使えそうです。

使用顔料:PR254,PR177 透明、乾燥所要日数2日前後、耐光性★★★(堅牢)、シリーズA

キナクリドンオペラ

油絵の具のキナクリドンオペラは透明水彩のオペラと基本色味は同じですが水彩の場合は濡れ色と乾き色の違いを意識しないといけません。(アクリルも)

油絵の具は元々乾性油で溶いてあるので顔料が乾性油で守られているという感じでアクリル絵の具や水彩絵の具に比べて「色の痩せ」がなく堅牢という特徴があるのですが、、

このキナクリドンオペラの場合耐光性があまりなく色味が変化しやすいという性質があります。

このように極端に耐光性が弱い場合はなるべく直射日光を避けるUVカットのアクリルフレームに入れるなどの対処をしたほうが良いと思います。

使用顔料:BV10,PR122 半透明、乾燥日数2日前後、耐光性★(変化しやすい色)、シリーズA

透明ローズ(廃盤)

油絵の具には透明(Transparent)シリーズという種類があります。

乾燥も速いので何かメディウムが入っているのか?と思ったりもしますが、残念ながらこの色は今廃盤になっているようです。

調べてみるとホルベインでは透明カラーは現在ブラック、バイオレット、ガーネット、グリーン、バーミリオンの5色のみとなっているようです。

このうち赤系はガーネットで深い赤ですが耐光性はあまり強くないです。

グレーズ技法に良いと思われますが透明度の高い普通の油絵の具の赤系、青系、紫系などをオイルで薄めて使えば事足りますので、、。

まとめ

・油絵の具の朱色系の赤:バーミリオン(ヒュー)、カドミウムオレンジ、アゾレッドなど

・油絵の具の赤の中の赤:カドミウムレッド、ピュアレッド、チャイニーズレッドなど

・油絵の具の深い赤:ペリレンレッド、キナクリドンレッド、アントラキノンレッドなど

・油絵の具の紫系の赤:アリザリンクリムゾン、クリムゾンレーキ、カーマインなど

・油絵の具のローズ・ピンク系赤:ローズマダー、キナクリドンローズ、キナクリドンオペラ、ピンクマダーなど

・カドミウム系赤は鮮やかで不透明という特徴がある

紫系、深い赤系、ローズ系は透明度が高く乾燥が比較的遅いのでグレーズ技法に向いているという特徴がある

*乾燥が遅めなので下塗り、下描きにはあまり向いていない。上に被せた絵の具に亀裂が入る恐れあり

以上参考になれば幸いです。

最後まで読んでいただき有難うございました。

油絵の具 黒の種類と違いは白を混ぜると分かり易い
今日は。オンライン絵画教室アートスタジオ海の中道さかいです。今日は油絵の具の黒の種類と違いについ書いてみようと思います。油絵の具に限らずアクリル絵の具や水彩絵の具を描かれている方にも参考になるかと思います。油絵具の初心者セットには何故かアイ...
油絵 オイルの種類を分かり易く解説
油絵のオイルには色々な種類があって何が何だかさっぱり分かりませんよね。オイルのことは難しくてよく分からないと思っている人が多いのではないでしょうか。ここでは油絵のオイル、画溶液を構成している主な要素を3種類に分類して解説していきます。乾燥の...
【油絵具 白】種類と違いは黒を混ぜてみると分かりやすい
油絵具の白は色々な種類があり、初心者の方はどれがどうなのか?とぼんやり思ってあるかもしれませんがその色味の違いは黒を半々に混ぜてみると分かり易いです。このブログでは油絵具の主な5種類の白とその違いや特性について解説してみます。またここではフ...

 

LINEで気軽にレッスン、できた作品はユーチューブ(下)で紹介。

油絵基礎マスターコースプラス

LINEで気軽にレッスン、出来た作品はユーチューブ(下)で紹介

お好きな画材コース

無料体験レッスン お問い合わせはLINEから

友だち追加

コメント