油絵を始めようとするときにまずはお道具を揃えないといけませんよね。
初心者の方は何を買えば良いのかわからず画材屋さんで勧められるままに道具を買ってしまった、というようなこともあるかもしれません。
ここでは私の長年の制作活動と20年以上教室をやってきた経験をもとに初心者の方が揃えるべき油絵の道具とこれもあったら便利、というものを挙げてみました。
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油絵の道具 初心者が最低限揃えるべきもの
油絵の道具 初心者セット
初心者が必ず買う絵の道具を入れるケース
油絵を始めようとする人はまずはとりあえずこういう初心者セットを買われるのが良いと思います。
油絵の道具の初心者セットにはこういうビニールケースに入ったものと立派な木箱に入ったものが売っています。
中身は全く変わりません。
木箱入りは木箱の値段が高くなる分値段が高くなります。
制作するのにはビニールケースで十分ですし自分でホームセンターからプラスチックケースを買ってきても良いです。
ビニールケースは軽いですがふにゃふにゃしているので少し心もとない感じはします。
中にしっかりした木のパレットが入っていれば良いですが絵の具を買い足していったときに
少なくともプラスチックケースのほうが絵の具を入れやすいし持ち運びにもそれほど重くないので良いと思います。
木箱も高くて重いだけでなく良い面もあります。
何といってもしっかりしてますし、ブラシクリーナーポットは木箱の淵の部分に挟んで固定するように作られているのです。
また描きかけの筆を置いておくのにも木箱は意外と便利なのです。
初心者用の道具に欠かせない油絵具セット
初心者セットはなるべく日本のメジャーなメーカー、ホルベインかクサカベを買っておかれるのが良いと思います。
絵具を買いたしていくときにこの2つのメーカーなら殆どの画材店にバラ売りがあります。
やっていくうちに私の場合は文房堂のブラックが良い、ルーブルのブループリミエールが欲しい、などという拘りがでてきましたがそういうときは画材店に注文することになります。
また日本のメーカーのほうが油絵具の乾燥時間や透明度、顔料の違い(=値段の違い、ABCDEなどで表示してあります)が分かり易いというのもあります。
外国のメーカーはこのへんがいまいち分かり辛かったり全く表示がなかったりします。
因みにホルベインの初心者用油絵具12色セットの内容は
パーマネントホワイト、クリムゾンレーキ、バーミリオンヒュー、パーマネントイエローライト、ビリジアンヒュー、パーマネントグリーンペール、コバルトブルーヒュー、ウルトラマリンブルー、イエローオーカー、バーントアンバー、バーントシェンナー、アイボリーブラック です。
クサカベの初心者用油絵具12色セットは
パーマネントホワイト、ウルトラマリン、コバルトブルーヒュー、ビリジアンヒュー、パーマネントグリーンライト、パーマネントイエローレモン、パーマネントイエローディープ、イエローオーカー、ピュアレッド、ローズマダー、バーントシエンナー、アイボリーブラック です。
この2つのメーカーの油絵具初心者12色セットの違いは「赤系」にあります。
ホルベインには所謂「赤」はなく「クリムゾンレーキ」という少し紫がかった赤が入っています。
これにイエローを混ぜると落ち着いたオレンジ色になるので
おそらくバーミリオンヒューという派手な朱色が入れてあるのだと思います。
クサカベにはピュアレッドという「赤」がありますがバーミリオンヒューがありません。
派手な赤にイエローを混ぜるとわりと派手な朱色が出来るのでバーミリオンヒューが無いのだと思います。
ヒューというのはもともとそれを作っていた純粋な顔料ではなく主に石油から作られたイミテーションで値段もリーズナブルなものとなっています。
最近は昔に比べてヒューが増えてきたと感じます。
油絵初心者用の道具セットに必ず入っている豚毛の筆
初心者用道具セットには必ずこういう豚毛の筆(硬毛)が入っています。
これは油絵具は絵の具の中でも一番固めに練ってあるので厚塗りをするときにその強度に耐える為です。
特に日本では印象派やピカソの絵が親しまれていて油絵というと厚塗りのイメージがあります。
ですが印象派以前はそんなにごてごてと厚塗りすることはなかったのです。
油絵というのは実に色々な描き方が出来る画材でさらっと薄塗りすることも可能です。
そういう意味ではこういうナイロン筆やタヌキの毛のような軟毛も使われます。
ホームセンターに売っているペイント用ナイロン筆や水彩用筆もあれば重宝します。
特に平筆は使いやすいと感じます。
下塗り用の大き目のナイロン平筆も油絵の下塗りに使えます。
初心者用の道具セットの中に必ず入っているナイフ2種類
油絵の制作に欠かせない道具のひとつがこのペインティングナイフです。
これでパレット上で絵の具を混ぜますがこれで油絵を描くこともできます。
ナイフでマチエール(質感)をだすのが油絵の醍醐味だったりしますね。
私は長年のうちに大中小色々なナイフを買ってしまいましたが今は一番小さなものを使っています。
ひとつ新品の長いのはケーキサーバーとして使っています。(台所にあります)
絵の大きさや画風によって使い分けましょう。
まずは初心者の道具セットに入っている中くらいの大きさで十分かと思います。
油絵のお道具セットのなかに必ず入っているのがこのパレットナイフです。l
これはパレットを掃除するためのものですが私は掃除もペインティングナイフでします。
逆にこれで絵をかいてはいけないという決まりもありません。
これで油絵の表面をひっかいたりしても面白いかもしれません。
油絵初心者用道具セットの中に必ず入っているオイル
オイルには乾性油と揮発性油があるのですがこの初心者の為の油絵の道具セットの中には大抵このペインティングオイルが入っています。
これは乾性油と揮発性油と乾燥促進剤が程よく配合されたもので初心者の人は最初から最後までこれで描いても差し支えありません。
因みにオイルといえば乾性油のことをさします。
主な乾性油にはリンシードオイルとポピーオイルがあります。
リンシードオイルはあらゆる場面でメジャーに使われている乾性油で油絵用キャンバスのホワイトの地塗りはこのリンシードオイルが使われています。
私はもうひとつのポピーオイルを使うのが好きです。
時間が経っても黄変の心配がなく、乾きは遅いのですがその分グラデーションも作り易いです。
油絵初心者用道具セットの中に必ず入っている油壺
油絵具は顔料の粉を乾性油で溶いてあるものなので当然のことながら水で溶くことはできません。
油壺はこのようにパレットの淵に固定して制作します。
絵具を薄めたいと思ったらこの油壺のなかのオイルを筆の先にちょんちょんとつけたりして薄めます。
こういう筒型とそろばん型がありますがこの筒型のほうが掃除がし易いです。
制作が終わったら必ず中をきれいにしておきましょう。
乾性油というのは乾燥するとゼリー状に固まってきます。
その性質を利用して描くのが油絵ですがこの中のオイルは固まらないようにしておきましょう。
固まってしまと掃除が大変になります。
油絵初心者用道具セットの中に必ず入っているパレット
最近は紙パレットが入っていることもあるかもしれませんが基本この木製パレットがあります。
指を入れるための穴があいていて
このように筆を持って右手で筆を1本1本選びながら描いていきます。
油絵は基本色ごとに筆を替えます。
因みに屋内で制作する場合は大抵パレットは置いた状態で描くのではないかと思います。
なので穴が開いてない紙パレットも使いやすいです。
ですが環境問題を考えたら木製パレットをその都度きれいにしていくほうがベターですね。
私は紙パレットをその都度掃除したりして使うこともあります。これで何度か使えます。
白いと絵の具の色が分かり易いというのがありますね。
パレットを掃除するときはまずナイフで絵の具を取り除き、古タオルなどにブラシクリーナーをつけてパレットをきれいにしておきます。
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油絵初心者用道具セットの中に必ず入っているブラシクリーナー
油絵初心者道具セットの中に入っているクリーナーポットです。
制作が終わったら筆を拭き、この中で筆を洗います。
下に絵の具の成分がどんどん溜まってきますのできれいに洗えなくなったら買い換えます。
ブラシクリーナーはこのような大瓶で売っていたりします。
これは石油から作られていますので石油の値段が上がったらこれの値段も上がります。
石油臭がするのですが最近はオドレス(無臭)のものやリンス入りのものも売っています。
灯油で代用することもできますが質は相当悪いです。
絵を描いている途中で筆を洗ったときに絵のなかにブラシクリーナーの成分が入ると良くないので
途中で洗ったときはそのあとテレピンやペトロールなどの揮発性油で洗っておくことをおすすめします。
油絵を描く道具のひとつとしてこのような大型の筆洗器があれば刷毛なども洗うことができます。
下塗りに刷毛を使うこともありますから初心者の方もこれを道具のひとつとして持っておかれたら良いかもしれません。
また筆洗器によってはこのように蓋が便利に使えるものもあります。
筆の洗い方、オイルの捨て方については下の記事をご覧ください。
油絵の道具 初心者セット以外に揃えておきたいもの
油絵初心者でもベテランでも必ず必要な道具? キャンバス
キャンバスとは
キャンバスとは木枠に麻布や綿布などを張り付けたものです。
油絵用のキャンバスには麻布が貼ってあり、油性のホワイトの地塗りがしてあります。
地塗りにリンシードオイルが使ってありますので真っ白でなく少し色がついています。
麻布は非常に丈夫ですので油絵の厚塗りにも耐えることができます。
粗目、中目、細目があります。
最近は油絵・アクリル兼用キャンバスというのが売られていて値段も手ごろです。
麻は高価ですので初心者の方の練習用にはこの兼用キャンバスが良いのではないかと思います。
これならアクリルで下塗りをすることができます。
油絵の工程:下塗りから仕上げまで一般的な方法を初心者に分かり易く解説
キャンバスパッドというものもある
キャンバス地を木枠に張らずにスケッチブックのように綴じたキャンバスパッドというのも売られています。
これを一枚づつ剥がしてパネルやスケッチブックの裏側にマスキングテープで貼り付けて描くことも出来ます。
左は紙のA4サイズ、右はキャンバスのA4サイズです。
初心者の方が初めて油絵を描く場合はこの4号というサイズに少ないモチーフで描かれるのが良いかと思います。
このキャンバスパッドは水彩画や版画のようにフレームに入れて飾ることができます。
油絵初心者でもベテランでも必ず必要な道具 イーゼル
テーブルに置いて描くことも出来ないことはありませんが出来ればイーゼルで描くほうがベターです。
イーゼルにも色々な種類がありますがうちの教室ではごくシンプルなものを使っています。
油絵初心者でも持っておきたい揮発性油
ペインティングオイルがあれば問題ないのですが下塗りや制作初めにはできればこの乾燥の速い揮発性油を使うのがベターです。
天然の材料で作られたものがテレピン、石油から作られたものがペトロールです。
どちらかといえばテレピンを1本持っておかれることをおすすめします。
この揮発性油はあらゆる場面で「薄める」役目を果たします。
仕上げ用のニスもこれで薄めることができます。
油絵初心者でも持ってくと便利な道具 スポイト・ピペット
全く使わない人も多いかと思いますが私はよく使います。
予め色々な色を作っておいてそれをマヨネーズより少し柔らかめにしてから制作を始めるのが私にとっては効率の良いやり方なのでオイルをあらかじめ加えてペインティングナイフで練っておくというやり方をします。
大きなピペットは揮発性油を大瓶から取るときに使います。
両方ともホームセンターに売ってます。
乾性油を吸い取ったあとは揮発性油で洗っておきます。
油絵初心者でもそのうち欲しくなってくる道具 腕鎮
油絵の制作に必ず必要な道具ではないのですが仕上げに細かいところを描きたい時など画面に触れることなく描くことが出来るのでこれはいずれ欲しくなってきます。
大胆な描き方をする場合は不要ですが、、
私などは勝手にテンションポール(長さが調節できる)とCDをくっつけて自前の腕鎮を作っています。
油絵初心者必須 スケッチブック・鉛筆
初心者の方でなくても油絵を描く前にはスケッチブックにラフスケッチを描いて構想を練ることが多いと思います。
F6 号くらいの大きさの表紙の硬いスケッチブックであればキャンバスパッドを張り付けることもできます。
鉛筆はB系の柔らかめのを買ってください。
トレーシングするときは6B鉛筆を使います。
油絵初心者が揃えておきたいその他の物や道具
油絵を描くのに必須な道具のひとつ 古タオルと布
古タオルは制作が終わったあとに(途中で拭くことも)筆を拭く為、古いTシャツの切ったものは間違ったと思った時に消すのに役たちますが大胆な厚塗りをするような場合は不要です。
油絵具の後始末の道具としてあると便利 古ハガキ
展覧会のDMの余ったのなどをとっておくと絵の具の後始末に使えます。
屏風のように折り曲げて筆置きにすることもできます。
油絵具のついた筆をきれいにするのに必要な道具 石鹸
筆はブラシクリーナーで洗ったあとは石鹸で洗っておきましょう。
油絵具のぬるぬる感がなくなるまで洗っておくことをおすすめします。
このひと手間を怠ると筆の下のほうががちがちに固まってきます。
油絵を描くのにもあると便利な道具 マスキングテープ
下描きをトレーシングしたり、キャンバスパッドをパネルに貼り付けたりするのに役立ちます。
15~18mm幅のものをひとつ持っておかれたら良いかもしれません。
最初から最後まで大胆な描き方をする場合は不要です。
まとめ
初心者の方が油絵を描くときに揃えるべき道具
1 初心者セット
・ケースはプラスチック製のツールボックスのようなものが便利。
・絵具はできればホルベインかクサカベの12色絵の具セット
・筆は豚毛が基本だがナイロン筆も(丸筆・平筆)
・ペインティングナイフ、パレットナイフ
・ペインティングオイル
・油壺
・パレット(木製でも紙でも、一長一短)
・ブラシクリーナー
2 初心者セットに入っている道具以外で揃えておきたいもの
・キャンバス(もしくはキャンバスパッド)
・揮発性油 テレピンかペトロール
・スポイト・ピペット
・イーゼル
・スケッチブック(鉛筆)
・古ハガキ
・古タオル(古Tシャツを切った布)
・腕鎮(大胆な描き方をする場合は不要)
・マスキングテープ(トレーシングする場合などに必要)
今日は初心者の方が揃える油絵の道具について書いてみました。
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