こんにちは。
油絵の下塗りって必要なのでしょうか?
真っ白のまま描いてはいけないのでしょうか?
疑問ですよね。
このブログでは油絵の下塗りについてその意義ややり方、色の選び方などを解説していきます。
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油絵には何故下塗りが必要か?また必ずしなければならないものなのか?
油絵を描く場合必ず下塗りをしなければならないということはありません。
勿論下塗りしないという選択肢もあります。白いキャンバスにきいきなり描き始めても良いのです。
これといった決まりはありませんし特に黄色などはかなり透明度が高く白いい下地の上から塗ったほうが発色が良いというのがあります。
その場合は直接キャンバスに細めの筆で油絵具を薄く溶いて下描きすると良いです。
「おつゆ描き」という言い方をすることもあります。
キャンバスに下塗りをすることで油絵の作業効率高める
ただこういう中間色を最初に塗っておくとその後はそれより明るい色と暗い色を足していけば良いので作業効率が良いわけです。
これは油絵の伝統的な技法であるインプリマテゥーラ技法といわれるものでヨーロッパでは印象派以前18世紀くらいまでよく使われていたと思われます。
キャンバスに下塗りをすることで油絵の色味が違ってくる
左のような寒色系の絵を描きたい場合は寒色系の下塗りを、右のような暖色系の絵が描きたい場合は暖色系の下塗りをします。
また逆に補色効果を狙って反対にすることもあります。
いずれにしてもいきなり油絵を描き始めるよりは塗り残しなどもなくなるので確かにやりやすいですね。
キャンバスをコーティングする役割がある
キャンバスはそもそも「地塗り」がしてあり、絵の具の油分を吸収しないように加工されていますがその上に下塗りすることによってそのコーティングをさらに強固なものにするという意味合いがあります。
下塗りすることによってキャンバスの表面の吸収率を調整することができる
例えばアクリルガッシュで下塗りをするとキャンバスの表面がかなりマットな感じになるので絵の具の吸収率は良くなりますが多少絵の具がくすんでしまう可能性もあります。
それに対して油絵具で下塗りをすると表面が滑らかになり後の作業がやりやすくなりますが乾燥にかかる時間は長くなります。
下塗りをすることによって油絵具が支持体にしっかり密着する
そもそもキャンバスには「地塗り」がしてありますがその上にひとつ「下塗り」の層を作ることによって油絵具と支持体の密着の度合いが高まるということが言えます。
現代の油絵の下塗りには油絵具による下塗りとアクリル絵の具による下塗りの2種類がある
昔は油絵具で下塗りをしてましたが現代はアクリル絵の具もあります。
これは非常に乾きが速いので油絵の下塗りにも使えます。左がアクリル、右が油絵具です。
油絵の下塗りの制作過程 アクリル絵の具・油絵具
油絵でもアクリル絵の具で下塗りすることができます。
アクリル絵の具による油絵の下塗り
油絵の下塗り・寒色系アクリル絵の具による下塗り作業工程 キャンバスの準備
キャンバスの準備
私はこういうキャンバスロールをカットして自分でキャンバスを作りますが今回はカットしてボードに貼ったものを使います。
因みにキャンバス地は油絵、アクリル兼用キャンバス地が便利です。
麻キャンバス地は通常油絵具に使います。こういう兼用キャンバス地は綿と化繊の混紡です。
価格も麻に比べてリーズナブルです。
用意するものはキャンバス、平筆、ピンセット、タオル、水
ニューサクラカラーホワイト、アクリルガッシュ(ブルー系もしくはブラック)
今日はターナーデザインガッシュのスカブルーを使っています。
違う種類のアクリル絵の具はあまり混ぜないほうが良いと思いますがここでは問題なく使用できました。
ニューサクラカラーは「ポスターカラー」と書いてありますがアクリル系塗料です。
ポリマーゼロといった感じで艶は全くありません。
ガッシュというのは普通のアクリル絵の具に比べてポリマーが少なく艶が少ないので下塗りに適していると思います。
勿論ガッシュのホワイトやジェッソを使っても良いです。
艶が多いと上から塗った油絵具が後から剥離してくる恐れがあると私は考えています。
(これは乾燥するとカサカサしているので上から油絵具を塗るときに少し塗りにくくなる感じはあります。)
2色をよく混ぜて塗っていき、刷毛の毛が取れたらピンセットでその都度取っていきます。
薄くぬることがコツです。薄くぬれば乾燥時間は30分以内です。
乾燥すれば描き始めることが出来ます。
但しアクリル絵の具といえども何回も重ねながら厚く下塗りしたときは2~3日間乾燥させたほうが無難です。中のほうは意外と乾燥してなかったりします。
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油絵の下塗り・暖色系アクリル絵の具による下塗り作業工程
次にアクリル絵の具で油絵の暖色系下塗りをしてみます。
使う絵の具はさっきと同じニューサクラカラーとターナーデザインガッシュのバーントシェンナーです。
今度は全体に霧吹きをかけて塗ってみます。
霧吹きをかけることによりアクリル絵の具が少し薄まって塗りやすくなります。
縦横に万遍なく塗ります。
薄くぬれば乾燥時間は30分以内です。乾燥すれば油絵の制作にとりかかることができます。
人物や夕焼け空などに使えます。
油絵で夕焼け空と雲を描いてみよう~初心者の為の7つの必見ステップ~
油絵の具による油絵の下塗り
乾燥時間は少し長くなりますがこれが一番無難です。
油絵の下塗り・寒色系油絵の具による下塗り作業工程
使う絵の具はファンデーションホワイト、アイボリーブラックです。
油絵の寒色系下地の色の選び方は色々で出来上がりのイメージから自由に中間色を決めて良いと思いますがグレー系、ブルー系が多いかと思います。
使うオイルはぺトロールやテレピンなどの揮発性油です。
ぺトロールは石油系、テレピンは植物由来です。
今回はぺトロールを使ってみます。
少しずつ薄めながら油絵具のホワイトとブラックを混ぜていきます。
全体に薄く塗り広げます。
油絵の描き方の手順としては下塗り段階では揮発性油100パーセント、描き進めていくうちに揮発性油と乾性油半分、仕上げ段階では乾性油100パーセントにしていきます。
ファンデーションホワイトは乾燥が速いですがブラックが乾燥が遅いので少し遅れますが揮発性油で薄く塗っていれば夏場は2日ほどで乾くと思います。
冬場は1週間くらいかかるかもしれません。暖房のある部屋で乾燥させるほうが速くなります。
油絵の下塗り・暖色系油絵の具による下塗り作業工程
ファンデーションホワイトとバーントアンバーを使います。
バーントアンバーは非常に乾燥時間が短く下塗りに適しています。
今回はテレピンを使ってみます。
よく混ぜて全体に薄く塗り伸ばします。
1週間ほど乾燥させてから描き始めます。
まとめ
・下塗りは必ずしなければならないものではない
・インプリマテゥーラ技法とは古くから使われてきたやり方で最初に中間色を塗っておくことによっ て作業効率を高める方法
・油彩画の下塗りにアクリルを使っても良い
・油絵具で下塗りをするときはテレピンやペトロールの揮発性油を使うようにする。
・油絵具で下塗りをするときは乾性油で厚塗りすることは避けるようにする
・下塗りは寒色系でするときと暖色でするときがある
今回は油絵を描く時の下塗りの意味や方法、制作過程を解説しました。
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