油絵の色彩と色彩の基礎知識

技法一般

色彩に関する基礎知識はあらゆるシーンで重要です。

生活していく上で衣・食・住の中での色彩は私たちの幸福感も左右してしまうと言っても

過言ではないでしょう。

 

服を着る時もその色の組み合わせで随分印象は違ったものになりますし

その人の性格まで表してしまうことがありますし、体形の見え方まで違ってきます。

食べ物も色彩が美しいということは食欲をそそる重大な要素です。

 

住空間では特に色彩は気持ちの落ち着き方を左右する要件となってきます。

いかに色彩を少なくシンプルにするかということに拘る人もいます。

 

油絵を描く場合もどういう色彩で描くかということは最重要課題かもしれません。

ここでは色彩の基礎知識と油絵の関係、陰影との関係などを心理的要素も含めて解説してみます。

 

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油絵の色彩と色相環

油絵の色彩と色彩の基礎知識

色相環という言葉は聞かれたことあると思いますし調べれば色々な色相環の図がでてきますが

今回私は油絵具で簡単な色彩の色相環を描いてみました。

色相環の反対側にある色を「補色」といいます。

通常の色相環では黄色の補色は青紫ですが絵を描く場合、シンプルに紫と覚えていたほうが分かりやすいと私は思っていましてここではそのようにしています。

つまり黄色の補色は紫、オレンジ(橙)の補色は青、赤の補色は緑と覚えておく

絵を描く場合にやりやすいというのがあります。

今ここに描いているのがいわゆる「原色」といわれるもので一番彩度の高いものです。

 

油絵の色彩と色の3大要素について

色彩には3つの要素があり、色相というのはいわゆる色味の違いのことです。

油絵ではこれの組み合わせが重要になってきます。

明度はいわゆる色彩の明るさの度合いのことですが絵画全般において一番重要なのがこの明度です。

明度の違いだけでモノは表現することが出来るのです。

 

色相と彩度の要素が無くても明度の要素だけで絵を描くことができます。

いわゆる鉛筆デッサンがこれにあたります。

逆にデッサンだけで色を感じさせることも出来るのです。

 

彩度は色の鮮やかさのことですが中央の原色に白を混ぜると明度(明るさ)は増しますが

彩度(鮮やかさ)は落ちるということになります。

油絵の色彩と色彩の基礎知識

いわゆるパステルカラーというのになってきます。

春のぼんやりしたイメージを表すのに良いですが心理的には

パステルカラーを好む人は幸福感のある人といわれることもあります。

 

ここでは簡単な色相環を描いていますが隣の色を混ぜて中間色を作っていくことができます。

その隣ある色が「同系色」、反対側にある色が「補色」といわれるものです。

 

色彩と陰影について

ここで「陰」と「影」の違いについて考えてみましょう。

油絵の色彩と色彩の基礎知識

陰影という言葉がありますが「陰」というのは物に光が当たっていない暗い部分のことです。

光は壁や床に当たって反射しますからこの陰の部分は反射光ですこーし明るい部分がでてきます。

「影」とは物に光が当たることによって生まれる暗い部分のことです。

日中日が高く上がっているときはこの影は真下に短くできますが

日が沈んでくると影は長いものになります。

鉛筆デッサンではこの陰影は鉛筆の色だけで表しますが

油絵で陰影を表すとなるとどうすれば良いのでしょうか?

 

色彩と陰影・油絵への応用

油絵の色彩と色彩の基礎知識

さて油絵でこの陰影を表す時には原色の部分の彩度を落とすというやり方があります。

これは水彩画でも使うことができます。

左の色相環を描くのは大変かもしれませんが右の部分は良かったらやってみてください。

 

黄色、オレンジ、赤系統の色を「暖色」といいますがその影は寒色になります。

この暖色に補色である寒色を混ぜていくと暖色の彩度が落ちていきます。

これを陰色に応用することが出来ます。

 

といっても他の色の反射もありますからそう単純な話でもないのですが、基本の考えとなります。

例えばレモンに陰影をつける場合もこのやり方で描くことができます。

 

油絵の色彩と色彩の基礎知識

レモンに陰影をつける

油絵でトマトを描く~陰と影のつけかた~

 

油絵の色彩と基礎知識・応用編

出典:「芸術・デザインの色彩構成」朝倉直巳編・著

 

油絵の色彩を考える~加法混色と減法混色~

油絵の色彩と色彩の基礎知識

<加法混色>

光が混色されていく場合、明るさが加算されていくので最終的には白になります。

このような混色を加法混色と言います。

<減法混色>

一方絵の具やインクなどの物質を合成して色を作り出すと混色するほど暗くなり、

彩度が落ちていきます。このような混色の仕方を減法混色と言います。

 

油絵の色彩は勿論こちらで混ぜるほどに絵の具の美しさは減っていきますので

混色する場合は2色程度に抑えたいところですが

「陰影」を表現する場合はこれで彩度を落とすということもあります。

 

油絵の色彩と色彩の基礎知識

 

印刷のインクはシアン、マゼンダ、イエロー、ブラックを掛け合わせて色が作られていきます。

これも減法混色になります。

実際の作品と印刷の色とどうしても差がでてしまって残念な思いをするのも仕方ないことかもしれませんね。

 

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油絵の色彩を考える~有彩色と無彩色~

デザインに関する色彩の知識は油絵にも十分応用することができますし参考にさせて頂いた上記書籍のなかでもそのように紹介されていますのでここで改めて引用してみます。

 

油絵の色彩と色彩の基礎知識

 

色相環で表される「色」のあるいわゆる「有彩色」にあてはまらない

「色」の無いものを「無彩色」といいます。

 

白、黒、グレーということになりますが「白」の特徴としては

・純白、清潔、高貴、明白、純粋

というイメージがあり、白をバックにすると当然画面が明るくなります。

私は自分の作品をフレームに入れるときは殆ど白のフレームに入れることにしています。

これで随分明るくオシャレな感じになります。

 

一方「黒」の特徴としては

・暗黒、夜、死、荘重、陰鬱、重厚

というイメージがありますが黒に隣接する有彩色は明るさを増して鮮明に見え、黒いバックは画面全体を引き締めます。面積が大きい黒ベタは力強く、立派に見える、という特徴があります。

私も版画作品によっては黒のフレームに入れることがあります。

いわゆる「かっこいい」感じになります。

油絵の色彩と色彩の基礎知識

 

白・黒・グレーの無彩色の中に彩度の高い有彩色が入ると画面全体がにわかに活気づくということになります。

この場合有彩色の面積は小面積にするのがコツです。

油絵、油彩画の色彩構成でも勿論ですがこれは服飾でも応用できますね。

モノトーンの装いのなかでアクセントとして赤いイヤリングをつける、赤い口紅を塗る、などです。

 

油絵の色彩を考える~補色配色~

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対比配色ともいわれますが最強の色相対比をなすのが補色です。

色相環の反対側にあり、色相と明度の双方で大きな対比を持つということになります。

 

子どもの絵でこの対比配色が強く出る場合は、私が長年教え絵てきた経験としては

何か心に葛藤があることが多いです。友達関係、親子関係、きょうだい関係などなど。

もしくは何か強い意志、やる気のあることもあります。

 

油絵で意識的にこういう配色をする西山英雄さんという方もおられるようです。

油絵の色彩と色彩の基礎知識

ゴッホも晩年は対比配色が目立ちますが私は印象派以降の表現を模索する中での意識的な配色ではないかと思っています。勿論彼の心理的な葛藤もあったとは思いますが。

 

油絵の色彩を考える~同系色配色~

油絵の色彩と色彩の基礎知識

近似色配色とも言われますがレオナルド・ダ・ビンチのこの作品は落ち着きがあり、

デリカシーのある表現となっています。

洋服を着る時に同系色配色を好む人はあまり奇抜な行動にでない、周囲に合わせる、といった性格の人が多いように思います。うちの教室にもそういう方がおられました。

 

油絵の色彩を考える~暖色・寒色~

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<暖色>

オレンジを中心に赤や黄色系の火や太陽を連想する暖かい色を暖色といいます。

色相環上では紫が終わってから緑が始まるまでの範囲の色を指します。

<寒色>

青を中心とするグループで寒い感じがするので寒色と言われます。

紫と緑は中間色と位置付けられるようです。

私のなかでは赤紫は暖色、青紫は寒色、と位置付けています。

油絵の色彩と色彩の基礎知識

ルノアールのこの油絵作品は暖色で構成され暖かい感じがしますが

ちょっと締まりのない印象もあったりしますよね、、

 

油絵の色彩を考える~明度による色彩構成~

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明るい感じの配色は軽くなりがちですが少量の低明度色を使うことによって

緊張感の加わった引き締まった画面を作ることができます。

これは油絵の色彩を考える上でも応用できそうですね。右はパウル・クレー作品です。

下のほうのパープルが画面を引き締めています。

油絵の色彩と色彩の基礎知識 油絵の色彩と色彩の基礎知識

逆に低明度の組み合わせでは「暗い」感じになりますが右のゴーギャンの作品では少量の明るい色を入れることで画面が活性化し、より充実した作品になっています。

 

まとめ

・油絵で色彩を考える場合、まずは色の3大要素を知ることが大切

・特に明度が重要

・油絵で色彩を考える場合、色相環の反対側の補色を混ぜて彩度を落とすというやり方がある。

・油絵で色彩を考えるときは陰と影の違いを考える。

・油絵の色彩配色に限らず色彩には「補色配色」「近似色配色」「暖色と寒色」

「明度による使い分け」などがありそれぞれ絵の目的と雰囲気に応じて

使い分けることが重要。

ということでした。

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