水彩画を描いていると白く残したいところがでてきますよね。
そこを残しながら周りを塗っているとムラになったり思い切って塗ることが出来なかったりします。
そこで白い紙の色をそのまま残す「マスキング」という方法をとることになります。
何らかの方法でそこに絵の具が付かないようにする方法ですがこのブログでは3種類のマスキングの方法とマスキングインクを使ったときにありがちな失敗7種類を解説してみます。
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水彩画を描くときのマスキングの方法4種類
そもそもマスキングにはどんな種類の方法があるのでしょうか。
紙類などを置いてマスキングして水彩画を描く方法
これはうちの教室の生徒さんの作品ですが紙を細く切ったり破ったりして変化をつけて水彩紙の上に置き、周りを水彩絵の具で滲ませて抽象的な仕上げにしてあります。
この場合はただ紙を置くだけですので境目はわりと曖昧になりシャープな感じではなくなりますが逆にそれが味があって良い感じに仕上がっています。
マスキングテープを使って水彩画を描く方法
これは子どもコースの子がマスキングテープを張り付けて上から水彩絵の具で好みの「春色」を滲ませたものです。
貼り付けて3週間ほど経ってしまったのできれいに剥がせるかどうかちょっと心配ですが多分まだ大丈夫だろうと思います・汗・笑
紙類+マスキングして水彩画を描く方法
この写真は白い紙の部分が青くなってしまいましたが(再度汗)紙をマスキングテープで貼り付けてマスキングしています。
広い部分を隠したいときにはこういう風に紙類やフィルム系のシートで覆ってマスキングテープで固定します。
マスキングインクを使って水彩画を描く方法
こういうペンタイプはかさばらないのでスケッチなど屋外で水彩画を描く時に携帯しておけば便利です。
極細ノズルがついていることもあります。
水彩画で白抜きをしたいときにこのマスキングインクを使って予めマークしておいて乾かせばそれ以外のところを思い切って塗ることができます。
湿潤材が分離していることがあるので使う時はよく振ってから使います。
乾いて透明な感じになって(べたべたした感じは残っていたりしますが)指についてこなくなったらラバークリーナーで剥がしたり、指や、筆のお尻の平らな部分で剥がしたりします。
剥がしたものはゴムっぽいのでそれを丸めて消しゴムのようにしてさらに剥がすことも出来ます。
剥がしたあとのゴムはきれいに掃除してから再び水彩画の制作に取り掛かります。
上の写真はホルベインのマスキングインクペンタイプです。
マスキングインクにはこの他に液状のものがあり筆やペン、割り箸などを使って白く残したいところをマークしていきます。
水彩画で使うマスキング液の種類と特徴
殆どのメーカーからマスキング液のボトルタイプとスティック(ペン)タイプがでています。
成分はゴム系の材料にアンモニアがプラスされたものやアクリル系などです。
大体押しなべてボトルタイプのものを筆その他で伸ばすほうが乾きが速く、ペン状のものから絞りだしたほうは厚みがでてしまって乾きが遅くなる傾向にあるようです。
特にペンタイプのものから大量に絞りだしてしまうとかなり厚みがでて乾くのに1時間近くかかってしまうこともあります。
先が詰まりかけているものを無理に押し出していると間違ってどっと出てしまうこともあります。
そういうときはそのまま乾かして一度剥がしたあと再びやり直します。
また液体に色がついていたほうがマスキングした場所が分かり易く周りの塗りもやり易いと思いますし剥がすときも剥がしやすいですね。
主なマスキング液は下記のとおり。
ホルベイン水彩用メディウムマスキングインク
インクの色は白ですので白い紙に塗ったときに少し分かり辛いかもしれません。
使ったらすぐに蓋をして固まらないように注意します。
表面がムース状に固まってきたらキャップを閉めて強く振るようにして完全に固まってしまうのを防ぎます。
量が少なくなってきたら小瓶に移し替えるなどしてなるべく空気に触れないように保存します。
完全に固まってしまったマスキング液は元には戻りません。
クサカベ水性絵の具用マスク液白抜き70ml広口ボトル
これは推奨使用場所はアクリルとありますがおそらく水彩画でもいけるのではないでしょうか?
ボトルの口が広いので使いやすいかもしれませんね。
その分乾きやすいかもしれませんが、、
ウインザー&ニュートンアートマスキング液
色は無色に近い薄い黄色で乾きは比較的速いようです。
シュミンケマスキングインクニュートラル
インクの色は青なので剥がすときに便利です。
乾きも比較的速い感じです。
但し背景が空(水色)のときは同じ色なのでちょっと分かりにくいですかね?・
水彩画を描くときにマスキングインクを使って失敗する例7種類
マスキングに適した水彩紙を使っていない失敗
これはヴィフアール紙に水彩色鉛筆で描いたものの一部で100%水彩画という訳ではありませんが黄色い花びらのなかの白い点をマスキングインクペンタイプでマークしていたところ、乾いて剥がすときに紙の表面が所どころ破れて点が繋がってしいました。
普通の画用紙は勿論ですがヴィフアール紙もマスキングするにはちょっと弱いようです。
出来ればウォーターフォード300グラムかワトソン紙など表面の強い水彩紙が良いと思います。
マスキングインクを薄めすぎる失敗
マスキングインクを筆などにつけて線を描いたりするときにマスキング液が濃すぎて伸びが悪いので薄めたいと思うことがあります。
そういう時はオックスゴールという水彩メディウムもしくは少量の石鹸水で薄めることが出来ますがこのとき薄めすぎるとマスキング液がしっかり紙に浸透してしまって剥がれなくなるというトラブルになることがあります。
マスキング液を薄めるときは別容器に少量とってごく少量のオックスゴールや石鹸水で薄めるようにします。
マスキングインクを塗ったあとに放置しすぎる失敗
マスキングインクを塗った後に2週間以上放置するとインクの樹脂が劣化して取りにくくなります。
なるべくその日のうちに取るようにしましょう。
マスキング液を塗り間違えたときに焦ってティシュなどで擦ってしまう失敗
水彩画をきれいに仕上げたい一心でマスキングするのは良いのですが肝心のマスキングインクの塗り方を間違えてしまうことがあります。
そいいうときに焦って布やティシュで擦ったりするとマスキングインクが広がってしまって失敗することになります。
そういう時はそのまま乾かし、一度剥がせばまた振り出しに戻ってやり直すことができます。
筆を洗ったときの洗剤がマスキング液に混ざってしまう失敗
マスキング液は使い捨てカップなどに入れてダメになっても良いような筆を使ってマスキングしていきます。
でもマスキング液はすぐに固まっていきますからまめに筆を洗いながらやらないといけません。
この時別の容器に洗剤や石鹸を混ぜた水で洗いながらやるのですがこの時によくすすいでから次に移るようにします。
でないと洗剤分(石鹸分)がマスキング液に混じると成分が変わってしまって後から剥がれなくなることがあります。
マスキングインクを直射日光に当ててしまう失敗
屋外で水彩画のスケッチなどをしているときにマスキングインクを直射日光に当ててしまうとマスキングインクが高温で劣化してしまってうまく剥がれなくなることがあります。
マスキングインクを塗ったまま高温の場所で絵を保管してしまう失敗
マスキングインクを塗って乾いたあとに水彩画として仕上がったと思ってそのまま高温の部屋に放置して剥がさずにいるとマスキングインクが劣化してしまうことがあります。
すぐに剥がす時間が無いときはせめてなるべく低温の部屋に保管するようにして2週間以内に剥がすようにします。
(以上出典:ホルベイン公式サイト他)
マスキングインクを剥がすときに紙が破れて失敗した時の対処法
マスキングインクが乾いて剥がすときに紙が破れてしまったときはパレットにごく少量のボンドを出してほんの少しの水で薄め、それを筆の先につけて破れた紙の表面をくっつけます。
それが乾いたら丁寧にその部分を再び描いていきます。
目立たないようにぼかしたりしてみます。
このように対処することはできますので慌てずに、諦めることなく完成させましょう。
まとめ
・水彩画でマスキングをする手法は①紙などを乗せる②マスキングテープを使う③紙やフィルムなどにマスキングテープを組み合わせる④マスキングインクを使う という方法がある
・マスキング液の種類には
ホルベイン水彩用メディウムマスキングインク
クサカベ水性絵の具用マスク液白抜き70ml広口ボトル
ウインザー&ニュートンアートマスキング液
シュミンケマスキングインクニュートラル
などがある。
・ペンタイプはスケッチなど携帯に便利だが出すと盛り上がった感じになるので乾くのに時間がかかる
<マスキングインクで水彩画を描くときによくある失敗>
①紙が弱いという失敗
→ウォーターフォード300グラム、ワトソンなどがおすすめ。ヴィフアールはやや弱い
②マスキングインク(液)を薄めすぎて水彩画を描くという失敗
③マスキングインクを塗ったあとに水彩画を長く放置しすぎるという失敗
④マスキングインクを塗り間違えたときに焦ってティッシュなどで水彩画を擦ってしまうという失敗
⑤筆を洗ったときの洗剤がマスキング液に混ざってしまうという失敗
⑥マスキングインクを使って描いた水彩画を直射日光に当ててしまうという失敗
⑦マスキングインクを塗ったまま高温の場所で水彩画を保管するという失敗
以上参考になれば幸いです。
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