水彩色鉛筆にはどんな使い方があるのでしょうか?
水彩色鉛筆といえば形を描いて水でぼかすという使い方がまず頭に浮かびますよね。
でも実はそれだけでなく実に色々な使い方があるのです。
今回はとても面白い画材である水彩色鉛筆の使い方と10種類の技法を
マール社刊「はじめてさんの水彩色鉛筆」という教則本をもとに
ひとつひとつ解説していきます。
生徒さんに順を追って教えていけるとても良い本でおすすめです。
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まず水彩色鉛筆の種類ですがうちの教室ではファーバーカステルの赤
(中硬度24色)とステッドラーの水彩色鉛筆サップグリーンで描いてもらってます。
これで大抵のことは出来ます。
この本の中では実に13種類の水彩色鉛筆の使い方が紹介されています。
・ドライ ・ドライ+水 ・黒ぺン+ドライ ・ドライオンウエット ・ウエットオンウエット
・鉛筆+ウエット ・黒ペン+ウエット ・茶ペン+ウエット ・黒ペン+ドライ+水
・油性色鉛筆(補色)+ラフウエット ・油性色鉛筆+ウエット+サンドペーパー
・マスキング+ウエット ・ウエット+サンドペーパー
この中の太字にしている10種類の水彩色鉛筆の使い方をそれぞれ詳しく解説してみます。
水彩色鉛筆の使い方 ドライ
そもそも水彩色鉛筆でも水を使うことなく「ドライ」な使い方をしても良いわけです。
普通の色鉛筆は「油性色鉛筆」ですが水彩色鉛筆も油性色鉛筆と同様な使い方を
することができます。
鉛筆デッサンでは線の重なりで陰影をつけることを「ハッチング」といますが
水彩色鉛筆でもこの線の重なりで陰影を表現することは勿論出来ますし
単独の線で色々なものを表現することができます。
水彩色鉛筆の使い方 ドライな線を描く時の鉛筆の持ち方
水彩色鉛筆を立てて持つ
水彩色鉛筆の先を尖らせて立てて持つと細い線が描けます。
草の様子や円形、立方体、階段など色々なモチーフを描いてみましょう。
水彩色鉛筆を寝かせて持つ
長い線を引くときや広い面を塗るときに水彩色鉛筆を寝かせて持ちます。
広い面を塗るときは複数の色を重ねていくことによって混色することができます。
水彩色鉛筆をつまんで持つ
つまんで力強くギュッと線をひくと力強い表現になります。
また回しながら強弱をつけて線をひくと木の枝や毛糸などの表現をすることができます。
まずは水彩色鉛筆を色々な持ち方をして色々な種類の線を描いてみましょう。
水彩色鉛筆の使い方 ドライ+水
今度はいよいよ水彩色鉛筆の一番オーソドックスな使い方である
「ドライで描いたあとに水で溶かす」という使い方です。
水筆に水を入れ、水彩色鉛筆で描いたあとに水で溶かしていきます。
ドライな線の質感と水に溶けたところの対比が面白い感じになります。
色を溶かすときは「明るい色、薄い色」から暗い色、濃い色に向かって溶かしていきます。
これが逆になると明るいほうの色が濁ります。
うちの教室では子ども達にはいつも「負け色から塗ろうね」と言ってます。
濃い、強い色(勝ち色とうちの教室では言ってます)から塗ってしまうと
明るい色、薄い色(負け色)のほうに勝ち色が移ってしまって濁ることがあるのです。
また水彩画でもそうですが水彩色鉛筆画でも白いところは何も塗らずに紙の色で表します。
光の当たっているところなどは紙の色を残すように、暗いほうに向かって溶かしていきます。
うちの教室では水筆を使ってもらうこともありますが水彩筆の少し細目のものに水をつけながら
水彩色鉛筆画を描いてもらうこともことも多いです。
水彩色鉛筆の使い方 ウエット
水彩色鉛筆画ですがいわゆる水彩画のイメージに仕上がります。
水に濡らした筆を水彩色鉛筆の芯に直接つけて描いていきます。
この使い方では基本下に塗った色が乾いてから上の色を重ねます。
色を重ねることによって混色することが出来ます。
透明水彩と同じですね。
水彩色鉛筆の使い方 鉛筆+ウエット
下絵をまず鉛筆で描いてから水彩色鉛筆で色を塗る使い方です。
いきなり水彩色鉛筆で描いていくのは結構ハードルが高いのですが
一度鉛筆で下描きをしておくと意外と塗るのは楽になります。
鉛筆の下描きの線は間違ったら練ゴムで消しますが、水彩色鉛筆で色を
塗ったあとでも練ゴムで軽く抑えると鉛筆の線を消すことができます。
鉛筆はなるべく濃い目(柔らかめ)の鉛筆(B系)を使って軽く描くようにしましょう。
よく下描きだから薄めが良いのかと思ってH系を使われることが多いのですが
薄いため筆圧が強くなりがちで、そうすると間違ったときに消しにくくなります。
*鉛筆の濃さに関しては下記ブログをお読みください。
デッサン鉛筆 濃さの違いと使い分け ユニとステッドラー描き比べ
ここでは鉛筆の線も絵のなかで重要な役割を果たしているので
失敗してない線は残すようにしましょう。
下描きの線を見せる水彩色鉛筆の使い方も水彩画同様大事な技法のひとつですね。
水彩色鉛筆の使い方 ウエットオンウエット
パレットに水を入れ水彩色鉛筆を筆で入れてたっぷり目の色を作り、基本の色を塗ります。
そしてそれが「生乾き」の状態の時に上の色を重ねて滲ませます。
(勿論水彩色鉛筆から直接筆で色を取っても良いです)
下の色があまりにも濡れ過ぎていると色が滲み過ぎますので
丁度良い乾き具合のときに上の色を重ねます。
下が乾きすぎると滲みませんのでその兼ね合いが難しいのですが
いわゆる水彩画独特の滲みの良さをだすことができます。
滲ませたくない、シャープに描きたいところは下が乾いてから重ねます。
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水彩色鉛筆の使い方 ドライオンウエット
まずウエットで描いてから乾かないうちに強調したいところを水彩色鉛筆の
ドライで入れていきます。
すると上から塗った色が滲んできます。
水彩色鉛筆独特の面白い使い方です。
水彩色鉛筆の使い方 黒ペン+ウエット
これはコピックマルチライナー0.1mmで描いた線です。
水に溶けないライナー(water proofといいます)を選びます。
コピックのほかにprocolorなどがあります。
これは2006年にローマ・サンピエトロ広場でスケッチして
ホテルで水彩絵の具で彩色したものです。
これは少し滲むペンで描いています。
滲むペンで描くのも趣があって良いかなと思うこともあります。
展覧会で外国に行ったときなどは必ずハガキサイズの水彩紙に
ペンでスケッチしてホテルで水彩絵の具で彩色します。
携帯用の固形水彩絵の具と筆を持っていきますが水彩色鉛筆でも良いですね。
写真も良いですが、どこかに行ったら必ず2~3枚くらいは水彩か
水彩色鉛筆でスケッチするようにしましょう。
あとから見ると写真よりも絵のほうが断然良いですよ。
その時の自分の魂(ちょっと大げさですが)が入ってる感じです。
スケッチブックを持っていくのは意外と重いですがハガキ大の水彩紙
5枚くらいなら荷物になりません。
私はハガキサイズに描いたものをフレームに入れて買ってもらっています。
さかいようこ水彩作品ページ
水彩色鉛筆の使い方 茶ペン+ウエット
ペンの色を茶色に替えるとまた趣の違ったものになります。
風景画などにコピックマルチライナーやプロカラーの茶を使うと
黒ほど強くなく周りの木の色などに馴染みしっとりと落ち着いた感じの絵になります。
うちの教室ではホルベインのバーントシエンナーのインクと丸ペンを使います。
こういうつけペンで線を描くと線にその人の生命感が入ります。
強弱をつけたりごく細い感じにしてみたり、、。
是非お試しください。
水彩色鉛筆の使い方 マスキング+ウエット
白く残したいところにあらかじめマスキングインクを塗っておいて、それが乾いたら
周りの色を水彩色鉛筆で塗っていきます。
塗り終わって水彩色鉛筆の色とマスキングインク全て乾いたら
マスキングインクを指でこすりながら剥がしていくという水彩色鉛筆の使い方です。
マスキングインクの乾いた塊や練ゴムで剥がしていっても良いです。
独特の感じの絵手紙風の絵に仕上がりますがマスキングインクの使い方も色々ですので
様々な表現方法が可能です。
水彩色鉛筆の使い方 ウエット+サンドペーパー
これだけ絵が魚でなくて申し訳ないのですがお手本をもとに描いてみたものです。
木の葉っぱのところに水彩色鉛筆をウエットで塗っておいて
乾かないうちに水彩色鉛筆をヤスリで削りながら粉にしたものをふりかけます。
全部筆で描いたものよりもこういう違ったマチエールが入ることによって
絵に変化がでて面白いものになりますね。
まとめ
水彩色鉛筆の使い方は13種類ほどありますがここではその中の
10種類の使い方を紹介してみました。
・ドライハッチング 水を全く使わずに油性色鉛筆のように描く使い方
・ドライ+水 水彩色鉛筆で描いたものの一部を水で溶かす使い方
・ウエット 濡らした水筆を水彩色鉛筆の芯につけて水彩画感覚で描く使い方
・鉛筆+ウエット 鉛筆で下描きしてから水彩色鉛筆のウエットで描いていく使い方
・ウエットオンウエット ウエットで描いたものが生乾きのうちに上を重ねて滲ませる使い方
・ドライオンウエット ウエットで描いたものの上からドライで
強調したい部分を塗り重ねる使い方
・黒ペン+ウエット 黒ペンで描いたあとウエットで塗る使い方
・茶ペン+ウエット 茶ペンで描いたあとウエットで塗る使い方
・マスキング+ウエット 白く残したい部分にマスキング液を塗ってそれ以外のところを
塗っていく使い方
・ウエット+サンドペーパー ウエットで塗った上からサンドペーパーで削った
水彩色鉛筆の粉を振りかける使い方
以上参考になりましたでしょうか。
できればこの全部の方法を試してみてくださいね。
貴方にぴったりの方法が見つかりますよ。
最後まで読んでいただき有難うございました。
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