筆が固まった時に試す3種類の剥がし液比べ実験

技法一般

油絵の具でもアクリル絵の具でも制作活動を続けていると筆が固まった、、しまった、、と思った経験のある人は多いのではないかと思います。

特に筆の下のほうの絵の具が洗いきれてない状態で日にちが経って筆の根本のほうが固まってしまったということが多いようです。

このブログでは筆が固まったときに使う3種類の除去剤(剥がし液)の性質と絵の具を溶かす力の強さ比べ実験の結果をご紹介します。

 

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筆が固まったときに試す3種類の剥がし液

筆が固まった時に試す3種類の除去剤比べと最終手段

私が今回試した除去剤(はがし液)はこの3種類です。

真ん中の「強力塗料はがし液」はホームセンターに売っているものであらゆる用途に使えます。

アサヒペンが発売しているもので300ml入りで1500円ほど。100mlだと690円ほどです。

ここ20年近くこれを使ってきました。

左はクサカベの「エコリムーバー」100ml入り。値段は660円ほどです。

今回試しに買ってみました。

右はクサカベの「ストリッパー」55ml入り。値段は550円ほどです。

100mlだと909円という計算になります。

これが値段的には一番高いですね。

というか昔(40年前)はこのタイプしかなかったのです。

 

筆が固まったときに試す剥がし液1 アサヒペン強力塗料はがし液

筆が固まった時に試す3種類の除去剤比べと最終手段

筆が固まったときに試す3種類の塗料はがし液比べ、まずはアサヒペンの「強力塗料はがし液」からいきます。(長年使ってきた親しみから・・)

固まった筆に試す前にアサヒペン強力はがし液の特性を知る

容器に書いてある内容を要約すると・・

正しい品名は 非塩素系塗料はがし剤(ブルーのどろっとした液体)

①刺激の少ない非塩素系:手についてもチカチカすることはない

②地球にやさしい:自然に還元される(生分解性)成分からできている

「生分解性」とは微生物の働きで無害な物質に分解されるということです。

③かといって人体に無害という訳ではなく意外と有害、匂いがキツイ、なので・・

・幼児の手の届かないところに置いておく

・固まった筆に使用するときは体調の悪いときは避ける、アレルギー・化学物質に弱い人は使用しないこと

有機溶剤が含まれているので固まった筆を柔らかくするときは換気を良くすること

有機溶剤は常温では液体だが揮発性が高いため蒸気となって呼吸を通じて体内に吸収されやすく、また油脂に溶ける性質もあるので皮膚からも吸収される(厚生労働省HPより引用「 有機溶剤とは」)

皮膚に触れないようにすること、保護メガネ、マスクをする

火気の近くでの使用や保存はしない

・固まった筆を溶かすときは水や塗料希釈用シンナーとは混合しないこと

水が混じると少し熱を発して全く違ったモノになり、効果もなくなるという実感があります。

またあまりにも長時間漬け込んでおくと一度溶解した絵の具が再び固まったような経験があります。

第2石油類、危険等級Ⅲ

石油類の危険度は引火点の温度で決まります。

低い温度で引火するものほど危険度が高いということになります。

数字の少ないものほど危険で第1石油類は重油です。

結構危険なものを長年使ってきたんだな、、でもめったに使わないし換気を良くしてすぐに手を洗ってきたので特に問題はなかったと思います。

 

固まった筆に使えるアサヒペン強力はがし液の用途は

・油性絵の具、合成樹脂系絵の具、および水性絵の具、ラッカー系の塗料やニスの塗膜の剥離

油絵の具で固まった筆、アクリル絵の具で固まった筆、その他固まった筆全般をほぐすのに使えるということですね。

・鉄部、木部、コンクリート部に塗られた塗膜の剥離

・・あらゆる用途に使えそうです。

因みに窓ガラスやサッシにアクリル絵の具や油絵の具がついてしまったときは筆にこれをつけて塗布してしばらく放置しておくと取れてきます。

(換気を良くして行います)

固まった筆の絵の具はどのくらいでとれてくるか

筆が固まった時に試す3種類の除去剤比べと最終手段

試す筆は左が油絵の具が筆(天然毛)の下半分に固まってしまったものと右がアクリル絵の具下半分に固まってしまった筆(天然毛)。

剥がし液を使う時はナイロン筆は避けるようにしましょう。

筆そのものが溶けてしまう恐れがあります。

ナイロン筆は安価で売っていることも多いのでこんなに苦労して固まった筆を剥がすよりは買ってきたほうが早いです。というかその前にちゃんと洗いましょう(反省)

また今回金属の缶の蓋の上でやってますがこの缶に塗装がしてあったらこの塗装が剥げてきます。

油絵の具が筆の中で固まったとき

まだ日数がそれほど経ってない場合はこれをかけて5分~30分ほど放置しておけば筆の中の固まった油絵の具は溶けだしてきます。即効性があります。

またパレット上で油絵の具やアクリル絵の具が固まってしまったときもこれをかけてしばらく置くと固まった絵の具は浮いてきて剥がれるようになります。

但し今回この筆は何と恥ずかしながら10年以上放置していたツワモノです・汗・

こういうぼかし表現に良いので再生させたいんですが、、

筆が固まった時に試す3種類の除去剤比べと最終手段

福島2012

だけど油絵の具が長年固まったものはこれをかけて30分放置しても全く変わらず・泣・

油絵の具というのは乾くのには時間がかかりますが一旦乾いてしまうと相当強力なんですね、、

筆が固まった時に試す3種類の除去剤比べと最終手段

画材屋さんには固まった筆をほぐすための金属製のコームが売ってますがうちには無いので代わりに昔から持っていたツゲの櫛でやってみました。

櫛そのものはこの強力剥がし液に負けることなく使えましたがこれでほぐした程度ではガチガチに固まった筆は変わらず、、。

これもプラスチックのコームだとコームそのものが溶けてくる可能性があります。

アクリル絵の具が筆の中で固まったとき

筆が固まった時に試す3種類の除去剤比べと最終手段

アクリル絵の具が固まった直近のもの(1週間ほど前の層)は付けた直後から溶け始め、30分後にはだいぶ溶けてきました。

但しその前の層(何年か前)はダメでした。(再び反省)

というかいくら剥がし液をかけても筆の中まで届いてない感じですね。

筆が固まったときに試す剥がし液2 クサカベエコリムーバー

固まった筆に試す前にクサカベ「エコリムーバー」の特性を知る

今度は画材専用、クサカベの「エコリムーバー」を試してみます。

①アサヒペンの強力剥がし液と同じ「地球にやさしい」生分解性、手についてもチカチカしない

②アサヒペンの強力剥がし液と同じ「非塩素系」

でも人体への悪影響がかなり少ないように配慮されている感じ

③アサヒペンの強力剥がし液は有機溶剤の蒸気が部屋に立ち込める感があり、匂いもキツイのに対してこちらのほうは嫌な臭いもなく無色透明、不揮発性

第3石油類危険等級Ⅲ 

アサヒペンの強力剥がし液は第2石油類だったのでこちらのほうがやや安全っぽいですね。

ですが「危険等級」は変わりません。火気は厳禁です。

 

固まった筆の絵の具はどのくらいでとれてくるか

筆が固まった時に試す3種類の除去剤比べと最終手段

アサヒペンの塗料剥がし液30分を試してみたあとタオルで拭き取ってブラシクリーナーで洗って再びしっかり拭き取った両方の筆(左の筆は油絵の具が下半分に固まったもの、右の筆はアクリル絵の具が下3分の1くらい固まったもの)にクサカベエコリムーバーをかけて30分おいてみました。

アサヒペンの塗料剥がし液は直後からアクリルの筆のほうに変化が見られましたがこちらは30分待つ感じです。(説明書きにそう書いてあります)

筆が固まった時に試す3種類の除去剤比べと最終手段

時間はかかりますが30分待つとアクリル絵の具の筆が固まったほうは以前の層もだいぶ溶けだしてきました。

筆が固まった時に試す3種類の除去剤比べと最終手段

油絵具の筆が固まったほうは残念ながらこれでも溶けだしてきませんでした・・とほほ。

なんという頑固さよ。

ラップにくるんで一晩おけば良いかもしれませんがラップそのものが溶けだすのではないかという思いからこの段階ではまだやってません。

 

筆が固まったときに試すはがし液3 クサカベストリッパー

ストリッパーで固まった筆の絵の具を溶かす前に特性を知っておこう

クサカベストリッパーの特性

リムーバー、ストリッパー、名前からしてストリッパーのほうが強力な感じしますね。

昔はこのタイプしかありませんでしたが久しぶりに買ってみました。

揮発性 蒸気を吸い続けると危険 換気を良くする、手に付くとチカチカする

②固まった筆に使用する場合は数分から10分程度で効果が現れる(即効性)

③火気の近くで使用しないこと

④成分はジクロロメタン、パラフィンワックス

ジクロロメタンの性質は急性毒性、皮膚腐食性・刺激性、目に対する重篤な損傷性、発がん性など

なので保護メガネ、マスク、手についたら多量の水と石鹸で洗う、子どもの手の届かないところに保管する、など(厚生労働省HPより引用)、色々と注意が必要です。

が、ごくたまに通常の使い方をしていればそう恐れることは無いのです。

(パラフィンワックスはジクロロメタンの蒸発を防ぐためのもの)

ジクロロメタンは環境負荷が大きいようで、このままの状態で廃棄することは極力避けたほうが良さそうです。

筆が固まった時に試す3種類の除去剤比べと最終手段

 

固まった筆の絵の具はどのくらいでとれてくるか

油絵の具が筆の中で固まっているとき(リムーバーでくじけていた)

筆が固まった時に試す3種類の除去剤比べと最終手段

ストリッパーをつけた直後は変化はありませんでしたが30分後に少し溶けてきました!

因みに説明書きには「10分程度待つ」と書いてあるので10分後に見ても同じだったかもしれません。

結構即効性はあるようです。

筆が固まった時に試す3種類の除去剤比べと最終手段 筆が固まった時に試す3種類の除去剤比べと最終手段

ブラシクリーナーできれいに洗ってみると半分しか使えなかったものが3分の2程度使えるようになっていました。

ちょっと柔らかくなっているの残り3分の1の部分を開いてみたら下のほうに油絵の具の粒が沢山こびりついているのが見えます。

筆が固まった時に試す3種類の除去剤比べと最終手段

そこでもう1時間ストリッパーをかけて放置してみましたが結局そう変わらず・・

固まった筆の端のほうは結構ほぐれていたのですが真ん中にいくにしたがって固まったまま、、

 

アクリル絵の具が筆の中で固まっているとき(リムーバーでくじけていた)

リムーバーでくじけていた、アクリル絵の具が固まった筆にストリッパーをかけてみると直後も少し溶けたのですが30分後にはだいぶ溶けてきました!

そこでこちらももう1時間ストリッパーをかけて放置してみましたが結局そう変わらず・・

筆が固まった時に試す3種類の除去剤比べと最終手段

固まっていた筆の端のほうはほぐれていましたが真ん中にいくにしたがって未だ固まったまま、、

ストリッパーにはかなり期待していたのですが、、

筆が固まったときに試すはがし液全て試してもダメな時の最終手段

固まった筆に剥がし液をつけてアルミホイルで包み込んで18時間放置する

今度はやはり油絵の具ががちがちに固まってしまって20年!近く経っているツワモノ筆に3種類の剥がし液をかけてアルミホイルで包み込み、18時間放置してみました。

ラップだと触れている部分が溶けてきますのでホイルがお勧めです。

それぞれに剥がし液の種類を書いておきます。

18時間放置した後開けてみると、、

アサヒペンエコリムーバー、固まった筆はちゃんと根本まで溶けてました

クサカベストリッパー、これも根本まで溶けてました時間が経ちすぎてストリッパーの成分が固まってしまってます。

もっと短い時間でOKだったのかも、、です。

クサカベエコリムーバー、これも油絵の具で固まった筆はきれいに溶けてました

乾いたタオルでしっかり拭きあげるとこんな感じ。

あと3本とも石鹸(洗剤)できれいに洗ったら見事蘇りました

この方法が一番お勧めですね。

12時間くらいでも良かったのかもしれません

ストリッパーは3~6時間くらいで良かったかも、、?

固まった筆に剥がし液をつけてアルミホイルで包み込んで2~6時間放置する

上の実験、もっと短い時間でもよかったのかも、、という思いから再度実験

今度は油絵の具でガチガチに固まった筆3本に3種類の剥がし液をたっぷりかけてアルミホイルで包み込んだものを2時間後、6時間後、12時間後に見てみました。

その実験結果を表にまとめてみます。

今までの実験から効き目がやさしいと思われるものから順に書いています。

   2時間後    6時間後    12時間後
クサカベエコリムーバー     ×     △ (80%)     〇
アサヒペン塗料剥がし液     △(80%)     〇          *
クサカベストリッパー            〇     *      *

 

結果何とストリッパーは2時間後にはOKでした。

やはり「アルミホイルで包み込む」というのが良いみたいです。

反応していくうちに中の温度が上がるのでしょうか??

揮発しないからでしょうか??

 

アサヒペン強力剥がし液は2時間後は80%OK、6時間後には完璧でした。

 

エコリムーバーは2時間後は全然でしたが6時間後には80%OK、12時間後には100%OKでした。

勿論これは筆の太さや固まった絵の具の量にもよるかと思いますのであくまでも目安です。

 

ともかくいずれにしてもこんなことになる前にちゃんとブラシクリーナーで洗った後は石鹸か洗剤でぬるぬるが無くなるまで洗うようにしましょう。

石鹸で洗ったあとはリンス(髪を洗うときの)を薄めたものにつけてすすいでおくと良いです。

 

まとめ

・筆が油絵の具やアクリル絵の具で固まったときはなるべく日数の経たないうちに剥がし液で固まった絵の具を取り除いておく。

・剥がし液の一番のおすすめはクサカベの「エコリムーバー」もしくはホルベイン「エコリムーバー」(おそらく同じような成分ではないかと思います)

・固まった筆の絵の具を溶かすエコリムーバーは「不揮発性」なので身体に悪影響がなくコスパも良い、勿論環境にも良い

・エコリムーバーは即効性は無いが30分待てば確実な効果が現れてくる。

・固まった筆を溶かすのに一番強力だったのはクサカベの「ストリッパー」

*他のメーカーのストリッパーも同様と思われます

*身体に有害、注意書きをよく読んで使うこと

・固まって相当な年月の経ったものは剥がし液をたっぷりとかけてアルミホイルで包み込こむ

エコリムーバー:12時間~18時間で固まった筆は元に戻る

アサヒペン強力はがし液:6時間で固まった筆は元に戻る

ストリッパー:2時間で固まった筆は元に戻る

アサヒペン「強力塗料剥がし液」はあらゆる用途に使えるが身体に有害な部分もあるので注意書きをよく読んで使うこと。

以上参考になりましたら幸いです。

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