油絵には色々な技法がありますが「ぼかし技法」というのは最も油絵の特性を生かした技法です。
油絵には「乾きが遅い」という特徴がありますがこれを利用して油絵が盛んに描かれるようになったルネッサンンス期頃から人体や衣服その他色々な部分にこのぼかし技法が使われるようになりました。
私のこの作品もぼかしを使っています。
ぼかしは色々なところで使われますが空など広い部分では「グラデーション」という言い方をすることが多いようです。
ここでは雲を描く前の段階として空と地面のグラデーション作りをやってみます。
当オンライン教室「油絵基礎マスターコース」の「雲の描き方」のレッスン動画のなかからグラデーション作りの部分を抜粋してみます。
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油絵でグラデーションを作る前にアクリルで下塗り
油絵でグラデーションを作るときは真っ白のキャンバスにいきなりやるよりも予めアクリル絵の具で下塗りをしておくと良いです。
(勿論油絵の具でも良いです)
ここでは空の色に近い水色のアクリル絵の具で塗っています。
油絵でグラデーションを作る前に地平線の位置を決める
空のイメージを作る前に地平線の位置を決めて鉛筆で薄く線を引いておきます。
ここでは雲の描き方練習ですので空の部分が広くなるように地平線は低めにします。
主に風景を描きたい場合は地平線の位置は高くなります。
グラデーションを作る前に油絵のオイルを下塗り
アクリルガッシュで塗っていてパサパサした感じですので予め乾性油を画面いっぱいに塗ってコーティングしておきます。
ポピーオイルがあればベストです。
油絵のグラデーションは「乾きの遅いオイル」を使うのがコツです。
が初心者の方はとりあえずペインティングオイルで良いと思います。
油絵のグラデーションに適した筆
油絵でグラデーション作りをする時に適した筆は一般的にひとつ上の写真でオイルを塗っている「平筆」です。
水彩用などの平筆を使う場合はグラデーションの途中で毛が取れたりしますのでピンセットも用意しておくと良いです。
画面がある程度大きいときは大きめの刷毛が良いです。
私は画面が小さいときはこのラファエルの筆を使っています。
柔らかいのにコシがあってとてもグラデーションやぼかしがやり易いです。
丸筆は筆跡が付きやすいので避けるようにしましょう。
また硬い豚毛などは避けるようにしましょう。
ファン型のぼかし筆を使ってぼかしの仕上げをする場合は乾いたものを用意します。
油絵で空のグラデーションを作っていく
グラデーションの為の油絵の具を用意する
ここではホルベイン初心者セットに入っているウルトラマリンブルーディープとコバルトブルーヒュー、パーマネントホワイトの3色で空のグラデーションを作っていきます。
ウルトラマリンブルー、コバルトブルーそれぞれにホワイトを混ぜて明るい色味にしておきます。
ウルトラマリンブルーは少し紫がかった青、コバルトブルーはいわゆる群青色です。
それぞれホワイトを混ぜるとその違いがよくわかってきます。
2種類の水色を作る感じです。
出来た水色とホワイトにペインティングオイル、もしくはポピーオイルを加えてマヨネーズより少し柔らかめにしておきます。
グラデーションを作るときはこの絵の具の濃さがとても重要です。
薄すぎても濃すぎてもダメです。
ここではオイルはポピーオイルとペインティングオイルスペシャルを半々に混ぜたものを使っています。
スポイトを使って少しづつオイルを加えてパレットナイフでよく混ぜていきます。
ポピーオイルだけだとあまりにも乾燥が遅くなりますので乾燥の速いペインティングオイルスペシャルを少し混ぜています。
まずはグラデーションの一番上のウルトラマリンブルーを塗る
まずは空のグラデーションの一番上の部分のウルトラマリンブルーにホワイトを混ぜたものを上のほうに塗ります。
空というのは地平線にいくほど明るく白っぽくなっていきます。
次にグラデーションの真ん中のコバルトブルーヒューを塗る
次にコバルトブルーにホワイトを混ぜたものを塗ります。
色を変えるときは筆をよく拭くようにします。
2色の境目をぼかしてグラデーションにする
筆を左右に大きく動かしながら2色の境目をぼかしてグラデーションにしていきます。。
自然な感じになるまで何度も筆を動かします。
油絵の具は乾きが遅いので慌てる必要はありません。
時々筆を拭きながらゆっくりグラデーションにしていきます。
グラデーションの一番下の白を塗る
鉛筆で引いた線が見える程度に残しながら白を下から塗っていきます。
白を使う前に筆をブラシクリーナーで洗い、そのあとペトロールで洗っておきます。
上の水色と自然に馴染むように塗っていきます。
コバルトブルーにホワイトを混ぜたものも再び上から塗ったりしして2色をぼかしていきます。
空の部分のグラデーションを仕上げる
空の雰囲気を思いながらグラデーションしていきました。
一番上のほうにはあまりホワイトを混ぜていないウルトラマリンブルーディープを入れてみました。
今回は雲の描き方を練習するので雲が目立つように全体に濃い目の水色にしています。
これで大体空の部分のグラデーションができました。
ポピーオイルを使っているので乾くのに1週間くらいかかります。
触った感じで乾いていると思ったら次の地面のグラデーション作りに入ります。
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油絵で地面の部分のグラデーションを作っていく
マスキングテープで地平線の位置を決める
これは必須の作業ではありませんが真っすぐな地平線を描くのも意外と難しかったりしますのでここではとりあえずマスキングテープを貼っておきます。
これは画面が乾いてないとできない作業です。
グラデーションする為の地面の色を作る
地面の色を作ります。
ここではチタニウムホワイトを使っていますが無ければパーマネントホワイトでも結構です。
イエローオーカーとホワイトを混ぜて3段階の濃さの地面の色を作っておきます。
ここでもマヨネーズより少し柔らかめにしておきます。
遠景、中景、近景にいくにしたがってイエローオーカーの色味を強くしていきます。
地平線に近いほうからグラデーションの明るめの色を塗っていく
3段階に作っておいた黄土色を薄い(明るい)ほうの色から塗っていきます。
自然な地面のグラデーションになるようにぼかしていく
明るいほうから暗いほうへ、暗いほうから明るいほうへ何回も往復しながら地面の遠近感がでるように自然なグラデーションを作っていきます。
地面のグラデーションが出来上がったらマスキングテープを剥がす
地面のグラデーションができたらマスキングテープを剥がします。
マスキングテープを剥がしたあとは境目が尖った感じになりますので上から撫でて空に馴染むようにします。
まとめ
・油絵は乾きが遅いのでグラデーションを作り易い
・なるべく乾きの遅いオイル(ポピーオイルなど)を使う
・油絵の具の乾きを早めたいときにはペインティングオイルスペシャルなどを混ぜても良い
・初心者の方はペインティングオイルでも良い
・色を予め3色ほど作っておいてまずは分けて塗り、その後境目をゆっくりぼかしていく
・色を変えるときは筆をよく拭いてから(極端に変わるときは洗う)
・グラデーションに適した硬さなマヨネーズより少し柔らかめ
・グラデーションに適した筆は平筆や刷毛
以上参考になれば幸いです。
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