水彩画を水たっぷりで描くとどんな紙でもある程度ふやけてきます。
これは紙の繊維に水分が入り込んで膨張するためでその為に紙が波打って制作がしづらくなったりして困りますよね。
水彩色鉛筆では紙がふやけるという問題はどうなのでしょうか?
この記事では紙がふやけるのを防ぐ(避ける)方法と実際に7種類の紙に水彩色鉛筆で描いてみてどの程度ふやける影響があったかを調べてみた結果を書いてみました。
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水彩色鉛筆で紙がふやけるのを防ぐための対処法
水彩色鉛筆で紙がふやけるのを防ぐには水張り
水彩色鉛筆で絵を描く前に紙を水張りしておけば確実にふやけるのを防ぐことができます。
これは紙が水に塗れると膨張し、乾くと元の大きさに収縮する性質を利用しています。
水張りの方法は水彩画と全く同じで水で紙を湿らせた状態でパネルに水張りテープで留めておく方法です。
時間がたって紙が乾くとピンと張った状態になります。
描き始めるとまた多少ふやけることもありますが乾くとまたピンと伸びます。
ですが手軽に始められるのが特徴の水彩色鉛筆画にはちょっと面倒な方法ですね。
水彩色鉛筆で紙がふやけるのを防ぐにはブロック紙を使ってみる
ブロックタイプの水彩紙は4隅が接着剤で留められています。
この状態で制作すると水分たっぷりでもある程度ふやけるのを防ぐことができます。
制作が終わって乾いたら中央部の接着剤で留めてないところにカッターやペーパーナイフなどを差し込んでゆっくりと剥がします。
これはアルシュのブロック紙でうちの生徒さんの中でも特に滲ませるのがお好きな方が使ってあります。
かなり水を使ってあって制作途中多少ふやけましたが最終的に影響はありませんでした。
アルシュ水彩紙は100%コットンを原料とする最高級水彩紙で、marumanのサイトによると繊維が均一に広がっているため紙に安定感があり、濡れた状態でも紙の変形が極めて少ないのが特徴とのことですが実際そう思います。
水彩紙はコットンの量が多いほど高級になりますがアルシュは親水性、発色の良さ、表面の強さは他の水彩紙に比べて突出しています。
洗い出しを強くしたあとの加筆にもビクともせず、またスクラッチングなど水彩のあらゆる技法に対応でき、水彩紙でありながらあらゆる画材に適応します。
また抗カビ加工もされていて長期保存に耐えます。
極めて上質なためお値段もそれなりです・汗・笑・
お手頃な値段のブロック水彩紙もありますが100%コットンではなかったりします。
水彩色鉛筆で紙がふやけるのを防ぐにはイラストボードを使ってみる
イラストレーションボードというのは紙の超厚型といったものです。
厚みは2~3ミリあり、その分ふやけにくいです。
勿論大量の水を使うとやっぱりふやけるのは避けられませんが水張りに比べると手軽な感じです。
水彩色鉛筆で紙がふやけるのを防ぐには四隅をマスキングテープで留めておく
これはふやけるのを防ぐ効果はありませんがせめて紙が丸まってきたり極端に波打ってきたるするのを少し防止することができます。
水彩色鉛筆であればこれで十分かもしれません。
水彩画でたっぷりの水を使うとマスキングテープの力よりも紙がよじれる力のほうが強かったりします。
水彩色鉛筆で絵を描いたら紙がふやけるか?7種類の紙に描いてみる
ワトソン紙に水彩色鉛筆で描いてみたら紙がふやけるか?
うちの教室では水彩や水彩色鉛筆で描いてもらうときは主にワトソン紙を使ってもらっています。
ワトソン紙はコットンを主原料に木材パルプを配合して作られている日本産高級水彩紙で少しクリーム色をしています。
これは木材パルプの色ですが発色を良くするために自然な染料で白くしたホワイトワトソンも売られています。
パステル画の為のグレーワトソンもありますが特に水彩絵の具の発色の良い紙です。
表面は強靭で消しゴムにも強く、マスキング液をつけたり剥がしたりしても紙の表面が破れることはありません。
適度な紙の凹凸があるので水彩画独特の趣きをだすことができます。
表面には滲み止めがしてありますがウォッシュな描き方をすれば滲み画法も可能です。
色々な大きさで売られており価格も手ごろで比較的入手しやすい紙です。
この作品は水彩色鉛筆でウエットな描き方をしていますが大量の水は使ってないので全くふやけることなく紙はまっすぐな状態です。
ヴィフアール紙に水彩色鉛筆で描いてみたら紙がふやけるか?
これはヴィフアール紙に水彩色鉛筆でウエットな描き方をしたものです。
中目ですので表面の凹凸は少なめでペンの下描きはスムースにできます。
ヴィフアール紙はマルマンが開発した手ごろな水彩紙です。
素材はパルプが主な原料で吸い込みはゆっくりな感じです。
真っ白ではなくオフホワイトというかクリーム色っぽいので派手な発色になることがなく落ち着いた感じになります。
細目なら水彩色鉛筆のドライな描き方がやり易い紙ですが普通の油性色鉛筆画にも向いています。
表面に滲み止めが施してあるので筆さばきは良いですが若干色が重ねにくいというところがあるようです。
バラの花びらの部分うまくいってません。
色を塗ったあとのリフティング(絵の具をティッシュなどで取り去る)はやり易いので初心者の方に向いているかもしれません。
マスキング液を塗ったり剥がしたりしてたら表面が破れてしまいました(ユリの花びらのなか)。
リーズナブルで買いやすいですが表面の強靭度はいまいちのようです。
ですが水彩色鉛筆でこの程度のウエットな描きかたをしても真っすぐな状態で別ふやけて描きにくいということはありませんでした。
アルビレオ紙に水彩色鉛筆で描いてみたら紙がふやけるか?
albireoはホルベインが開発した水彩紙で100%パルプ原料です。
ホルベインサイトによると発色に優れムラが出来にくいのでデザイン画やイラストに向いているようです。
水彩絵の具や水彩色鉛筆のほかにもマーカー、パステル、カラーインク、ペン、鉛筆、色鉛筆など色々な画材に対応します。
弾き度は普通、吸い込みも普通、滲み、ぼかしも簡単にできます。
水彩色鉛筆でそれほど大量の水を使うことなくウエットな描き方をしても紙がふやけて描きにくいということはなく今も真っすぐな状態です。
ウォーターフォード水彩紙に水彩色鉛筆で描いてみたら紙がふやけるか?
ウォーターフォード水彩紙とは英国の代表的な高級水彩紙で100%コットンを使用しており、
マスキングなどあらゆる技法に耐えうる表面強度を備えています。
絵具の吸い込みを押さえることにより発色が良く、にじみやぼかしが美しく仕上がります。
この水彩色鉛筆の絵はウォーターフォード水彩紙300グラムのしっかりしたのに描いてますので
これくらいのことではびくともしない感じです。勿論真っすぐに保っています。
水彩色鉛筆で絵を描くのにこんなに厚くてしっかりした紙も必要ないのでは?と思いたくなるくらいです。
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ホワイトアイビス水彩紙に水彩色鉛筆で描いてみたら紙がふやけるか?
ホワイトアイビス水彩紙とは良質パルプにコットンを高配合した日本製の高級水彩紙です。
吸い込みを押さえることにより絵の具が均一に表面に溜まり美しい発色に仕上がります。
これは中目ですが荒目に近い感じです。
紙が白い、というイメージです。
これも300グラム/㎡ですのでかなりしっかりしています。
これは空の部分に最初に水を塗ってから色を重ねるというかなりウォッシュな描き方をしているので乾いた今もやや波打っています。
ですが今までのようなあまり大量の水を使わないような水彩色鉛筆の描き方をすれば殆どふやけることなく真っすぐだったろうと思われます。
ケント紙に水彩色鉛筆で描いてみたら紙がふやけるか?
ケント紙はもともとは製図用途として作られた紙で厚手で硬く消しゴムをかけても毛羽立ちの少ない紙です。
また吸収性が低く水を弾く性質があり、デザイン用紙としても使われます。
つるっとしているので通常の水彩画というよりはイラスト、漫画という感じです。
絵具を殆ど吸収しないので重ね塗りしにくい感じですが慣れれば良さそうです。
でもしっかりした紙なので通常の水彩色鉛筆の描き方で描いてもそれでふやけるということはなく今も紙はまっすぐな状態です。
画用紙に水彩色鉛筆で描いてみたら紙がふやけるか?
これは昔からうちにある画用紙に近いような紙質のスケッチブックのなかの1枚に描いてみたものです。
何という紙なのかは分かりませんが厚みも質感もほぼ画用紙で色は少しクリームというかベージュがかっています。
決して厚くはなく薄い感じですがこの程度の水彩色鉛筆画なら特に問題なくふやけて描きにくいということもなく今も真っすぐな状態です。
*絵は殆どうちの教室で教材として使っているマール社「はじめてさんの水彩色鉛筆画」を参考に描 いています。
まとめ
7種類の紙(ワトソン紙、ヴィフアール紙、アルビレオ紙、ウォーターフォード水彩紙、ホワイトアイビス水彩紙、ケント紙、画用紙)に水彩色鉛筆で描いてみましたが余程水を大量に使わない限りふやけて描きにくくなるということはありませんでした。
水彩色鉛筆で絵を描くときは水筆を使って旅先などで気軽に描くことが多いので本格的透明水彩画のように大量の水を使う描き方をすることはあまり無いと思われますので、紙がふやける、それで描きにくくなるということは殆どないような気がします。
今日は水彩色鉛筆で絵を描いたときに紙がふやけるか?ということについて書いてみました。
参考になれば幸いです。
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