油絵でトマトの描き方を練習します。
油絵初心者の方が静物画を描かれる場合一度に複数の物を描くと
その前後感をだすのが難しかったりします。
構図や下描きも難しくなってきます。
また陰影のつけ方も迷われることが多いです。
ここでは単体のトマトに陰影をつけるということをやってみます。
色彩の基礎知識をおさらいしながら初心者の方にピンポイントで
響く手順をご紹介致します。
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油絵でトマトを描く ~陰影のつけかた3種類~
油絵でトマトに陰影をつけるには大きく3通りのやり方があります。
・トマトの色を濃く塗る。色味を濃くしていく、濃度を濃くする、など。
・カマイユ技法でトマトを描く
これはルネッサンスの頃からの伝統的なやり方であらかじめこげ茶色で濃淡を描いておいて
そのあと固有色を塗っていくというやり方です。
油絵の具は半透明であることが多いので描いている時には下のこげ茶が透けて見えるということです。
私のこの油彩画(海岸の砂シリーズ2002年)も実はカマイユ技法で描いています。
ベージュの下塗りの上からアンバーで下描きをして、それが乾いたら一度ホワイトを被せ、
更にそれが乾いてから赤っぽい固有色を入れていってます。
最終的にはこげ茶(バーントアンバー)はあまり見えなくなっています。
油絵は色々な描き方ができるので面白いと言えます。
・色相環の反対側にある色(補色)を混ぜて彩度を落とす
色彩の基礎知識のところで言ってましたがトマトの場合はオレンジっぽいので一番暗い部分は補色であるブルーを混ぜるということになります。
ここでは・それそのものの色を濃くしていく・補色を混ぜる というやり方でトマトを描いてみます。
油絵でトマトを描く ~下描きと下塗り~
では実際に制作してみましょう。
ここでは下塗り無しでいきなり「おつゆ描き」でトマトの下描きしていきます。
油絵具をオイルで薄く溶いたものを日本では「おつゆ」という言い方をします。
通常下描きの時のオイルは揮発性のテレピンやペトロールを使いますがここでは最終的にイエローの部分を見せるので普通にペインティングオイルを使っています。
通常の油絵では最初の段階は揮発製油、制作が進むにつれてそれに乾性油の割合を多くしていきます。
最終的に乾性油で強度と艶をだすのですが初心者の方にそれは難しいものがありますので
今回は最初から最後までペインティングオイルでやっています。
トマトの形をまずは直線的に捉えていきます。
自分が木を彫刻して掘り出すような気持ちでおおまかに縦横比を捉えてください。
トマトの形を丸く整えていきます。直線的なものを細分化するような気持ちで描いていきます。
トマトのベースになるパーマネントイエローライト大きめの筆で全体に塗っておきます。
濃さはマヨネーズより少し柔らかめといったところです。
ここではテーブルの色を白と仮定してグレーの影色を入れておきます。
筆触はテーブルの面に沿った横向きが基本です。
影に輪郭線はありませんので次第にぼかすようにします。
ホワイトであたりの線を消しておきます。
勿論周りを描きこむ場合はこれをやる必要はありません。
このあと一度乾かします。
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油絵の工程:下塗りから仕上げまで一般的な方法を初心者の為に分かり易く解説
油絵でトマトを描く ~本描き~
トマトのベースの色が乾いたら陰色を描きこんでいきます。
下が乾いていることが重要です。
冬場は暖房のある部屋に置いておかれるのも良いかもしれません。
トマトのヘタの部分は鉛筆で下描きをしておきます。
使う色はパーマネントイエローライト、クリムゾンレーキ、ビリジアンヒュー、
コバルトブルーヒュー、バーントアンバー、イエローオーカー、
チタニウムホワイト、アイボリーブラックです。
イエローとクリムゾンレーキを混ぜることによってトマトのオレンジ色の濃淡を作っていきます。
一番下の左から2番目の色から順にベースの色に被せていきます。
一番暗い部分は一番下の右、で左の濃いオレンジにコバルトブルーヒューを加えています。
トマトのヘタの部分はビリジアンヒューにイエローオーカーを混ぜて草色っぽくしておきます。
トマトのヘタの濃い部分にはビリジアンヒューにバーントアンバーやブラックを加えた深い緑を使います。
ヘタの筋の白っぽい部分はこれらのグリーンにグレーを混ぜる感じです。
まず左の明るめのオレンジから被せていきます。
下のイエローが見える程度に軽く塗っていきます。
次にもう少し濃い目のオレンジを上から被せていきます。
トマトの質感を思いながら凸凹した部分も描いていきます。
濃く塗っていくことでトマトの陰色を表現することが出来ます。
さらに濃い目のオレンジを重ねてトマトの陰色を表していきます。
この時点から反射光を意識して描いていきます。
ぼかしながトマトの陰を描きこんでいきます。
更にトマトの濃い陰色の部分を重ねます。
トマトの陰色の一番濃い部分を描きこみます。
細目の筆に持ち替えてトマトのヘタの部分を描きます。
トマトのヘタの中心部を描きます。
トマトのヘタの筋を描きこんでいきます。
トマトのヘタの影を描いてみます。色は右下のトマトの一番濃い部分の色を使いました。
トマトのヘタの影色の端のほうをぼかしていきます。
影を描くことによってヘタの存在感が増します。
油絵でトマトを描く ~仕上げ~
最後にトマトの影の部分にトマトの赤みを加えてみました。
影には色々な物の色が反射していて実際はかなり複雑ですがここでは一番シンプルな
白いテーブルと仮定しています。
またトマトのハイライトの部分は被せたオレンジ色を少し拭き取って下地の黄色をだしてみました。
こういうことが出来るのが油絵の面白いところだと思いますし、初心者の方にとっても
やりやすい部分ではないかと思います。
今回のまとめと重要ポイント
・デッサン的なことになりますが形をとるときはまず直線的におおまかに縦横比を計ります。
それがどういう四角の中に入り込むのかということを考えます。
・画面の中に小さく入れ込んでしまうのではなくやや大きめに描くようにします。
・トマトやリンゴはまず下地のイエローを塗って乾かしておくと後の作業がやり易いです。
(リンゴの場合は種類によりますが)
・イエローとクリムゾンレーキの掛け合わせでトマトのオレンジ色の濃淡を作って徐々に被せていきます。
朱色単色よりも深みがでます。
・トマトのヘタの影は丁寧に描きこみます。それによってヘタとトマトの存在感が増す。
・トマトの影にトマトの赤みを少し加えます。
今回は「トマトを描いてみる、トマトに陰影をつけてみる」ということで解説してみました。
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