いざ色鉛筆画を描こうとするとまずは「下書き」をしないといけませんよね。
そこでどうやって下書きをするか?という問題になってきます。
鉛筆で下書きをしたものの描いているうちに画面が汚れてきた、色鉛筆で下書きしたら間違った部分が消せない、など色々な問題がでてきます。
このブログでは主な色鉛筆画の下書きの方法7種類とその利点、欠点?などをまとめてみました。
あなたに一番合った方法が見つかると良いと願っています。
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色鉛筆画の下書きを消したい
そもそも色鉛筆で描いたものは何で消えないのでしょうか?
それは色鉛筆の成分である顔料の粒子が紙(水彩紙など)の凹凸の中に入りこむとただでさえ消しにくくなる上に色鉛筆の成分である蝋が顔料をしっかりコーティングしてしまってまたまた紙に浸み込むからなんですね。
鉛筆の木炭の粉であれば消しゴムが絡めとりますが顔料と蝋が浸み込んだものは消しゴムで絡めとるのが難しくなってくるという訳ですね。
ところで水彩色鉛筆は水性ですが普通の色鉛筆は油性です。
一般に油性のものは油を使って取り除きます。
因みに壁に色鉛筆で落書きしたものはクレンジングオイルや灯油で消すことができます。
このように板に白ペンキを塗ったものに色鉛筆で落書きしたものは灯油をしみこませた布で拭き取るときれいに消えます。
だけど紙に描いた下書きは灯油で消すわけにはいきませんね。
でも油性色鉛筆でも軽く描けば下書きは消せないことはないです。
下書きのやり易さや消し易さ、消しにくさなどをみながら7種類の下書きの方法を見ていきましょう。
色鉛筆の下書きの仕方7種類
色鉛筆画を普通に鉛筆で下書きする仕方
濃いめのB系の鉛筆でかるーく下書きする方法です。
デッサン力にある程度自信のある方はこれが一番王道かと思います。
決して力強く描いた下書きにしないことですね。
子どもや初心者の方は濃くなりがちで消すのが大変になります。
しかも下書きの筆圧で紙にしっかりと筋が入ってしまいますので消したあとそこに色を塗るとそこが白い筋となってでてくるということになります。
(これも技法の一種として使えることもあります)
消すことを前提にいかに下書きの線を軽く描くか、というのが結構難しいんですね。
しかも鉛筆で下書きしたあとにその上から色鉛筆を塗ると(向かって左側の花びら)もう鉛筆の線が蝋でコーテイングされてしまって消えなくなります。
なので色鉛筆で色を塗るときは塗る直前に下書きの鉛筆の線を消す、というのがポイントになります。
もしくは鉛筆の下書きの線をよけながら色鉛筆で色を塗る、ということですね。
B系の鉛筆で下書きをすると消し易いというのはありますが紙が鉛筆の粉で汚れがちになりますし手にも鉛筆の粉がついてその汚れがまた紙についてしまうという悪循環に陥る恐れもあります。
この方法は色鉛筆を塗る直前に下書きを消す、鉛筆の下書きをよけながら色鉛筆れ塗る、紙の汚れも消しながらやるようなテクニックとデッサン力があれば一番良い方法かもしれませんね。
色鉛筆画の下書きを濃い鉛筆でトレーシングする仕方
鉛筆を使って下書きする方法の応用ですがデッサン力に自信のない初心者の方におすすめです。
例えばこの花の絵をもう1枚同じように描くとします。(写真を写すなどでも)
写したい絵や写真の上にトレーシングペーパーを被せて濃い目の鉛筆で形をなぞります。
トレーシングペーパーを裏返して、ユニの6B鉛筆で裏面をざっと塗ります。
要するにカーボン紙のようにします。
何故カーボン紙にしないかというとカーボンで写した線は消しゴムで消せないからです。
トレーシングペーパーを再び表向けて新たに描きたい紙の上にのせてマスキングテープで固定します。
そしてもとのなぞり線の上から赤のボールペンでしっかりと描いていきます。
何故赤ボールペンかというと黒だとどこを描いたか、描いてないか分かり辛いからです。
この絵のように単純ならばそうでもないですが複雑な写真などになると描き落としの部分がでてきます。
時々めくってみてちゃんと写っているかどうか確かめながら色鉛筆画の下書きの線を作っていきます。
こんな感じで写ります。
油絵や水彩画の下書きもこの方法でやることがあります。
ただ6B鉛筆をトレーシングペーパーの裏面一面に塗っているので新しい紙が汚れがちです。
油絵ならフィクサチーフでとめて上から不透明な絵の具で描いていけば鉛筆の線は消えていきますが色鉛筆画となるとそうはいきませんよね。
線も6B鉛筆の下書き線なので色鉛筆で描く線に鉛筆の粉が混じりやすいという欠点があります。
この方法も描いているうちに手でこすれて汚くなってきたりしまうのでその都度上手く消しながらやっていくということですね。
慣れればそれも上手くなるかもしれません。
因みにトレーシングのやり方は、描きたいモチーフの写真を白黒でA4コピー用紙に印刷してコピー用紙の裏に6B鉛筆を一面に塗って新しい紙の上に置き、表から赤ボールペンでなぞっていくというやり方もあります。
描きたいモチーフの写真の大きさが描きたい色鉛筆画の大きさと番う場合はパソコンのなかで大きさを実物大にしてA4コピー用紙に印刷します。
トレーシングペーパーでトレースする作業を印刷機に任せる感じですね。
色鉛筆画の下書きをうすい鉛筆でトレーシングする仕方
さっきのやり方は6B鉛筆でトレーシングペーパーの裏面一面塗りつぶしてカーボンのようにするので新しい画面が汚れがちでしたね。
今度のやり方はなぞった線を裏からもう一度なぞって下書きを作るやり方です。
まず同じように下絵や写真の上にトレーシングペーパーをおいて鉛筆で(濃くて良い)下絵の形をなぞります。
そのトレーシングペーパーを裏返して裏からも同じ線をユニのFかHくらいのうすさ(硬さ)の線で描いてみます。
ステッドラーだとHBくらいです。
それをまた表返して描きたい紙の上にのせてマスキングテープでとめて固定して表から1円玉でトレーシングペーパーの上から擦ります。
さっきの6B鉛筆のカーボン転写よりは薄いですが薄めの鉛筆で転写して下書きを作っているので色鉛筆で塗っていても画面が汚れる心配がぐっと減りますね。
これも勿論消しながら、もしくは少し内側を塗っていく、下書きの線をよけて塗っていくなど注意して色鉛筆を塗っていきます。
色鉛筆画の下書きをグリッド転写でする仕方
色鉛筆画の下書きとしてはトレーシングに比べてよりデッサンに近い感じになります。
鉛筆でマス目を引いておいて下書きしていきます。
例えばb2のマス目にはこんな線がある、b3は、、という風にマス目ごとにかたちを写していきます。
拡大した下書き転写、縮小した下書き転写をしたい場合はマス目の大きさを拡大、縮小します。
下書きし終わったらまずマス目の線を消してモチーフの線は消さずに残します。
あとは他の鉛筆下書き同様鉛筆の線をよけながら、もしくは消しながら色鉛筆を塗っていきます。
色鉛筆画の下書きを色鉛筆でする仕方
色鉛筆画の下書きを色鉛筆のグレーで下書きしてみる
色鉛筆画の下書きを色鉛筆でしてしまえば鉛筆の粉と混じって色が濁ることもないですね。
鉛筆と同じようにうすい
グレーの色鉛筆で下書きしてみます。
これもある程度デッサン力のある方の方法かと思いますが左側のように青色が被さる場合は「勝ち色」だから問題ないですね。
私はいつも教室の子ども達には「負け色から先に塗ろうね」と言っているのですがこの場合黄色い部分が負け色になりますね。
グレーの下書きの線も消しゴムで消せば随分と薄くはなります。
しかも鉛筆の粉で色が濁るということはなく、画面が汚れることもなくグレーとの「混色」っぽくなって深みがでるかもしれません。
このあと黄色の部分に更に何か色を加えて描きこんでいけばグレーの線は殆ど気にならなくなる感じですね。
色鉛筆画の下書きをモチーフの周りの色でやってみる
例えば水色の色鉛筆で下書きをしていれば間違ったとしてもバックを青空にすればごまかす?ことができます。
但しごく軽くうすく描いておくようにします。
絵は臨機応変にやって良いものと私は思っています。
また黄色(暖色)の補色として陰色の効果もでる感じで面白くなります。
因みに漫画をアナログで描くときの下書きを水色の色鉛筆でやっておけば印刷に映らないという特徴があります。
色鉛筆画の下書きをカラーシャープペンシルでやってみる
三菱ユニのナノダイヤというカラーシャープペンシルです。
とても強くしっかりしていてしかも消せるのです!
減り易いという難点はありますが、、
私は0.5mm7色入りを持っていますがユニのホームページを見るとあっさり「生産は終了致しました」と書かれてました・泣・でもまだ売ってるようです。(2024年現在)
新商品は0.7mm、色はピンク、水色、オレンジの3色しかないようです。
旧品よりも強度約40%アップで折れにくいとのことです。
描線は日光などにより徐々に退色します、とケースに描かれていますが色鉛筆画の下書きとしては全然構いませんよね。
このくらいの軽さで描くと楽に消すことができます。
でもこのくらいの濃さで描いてしまうと紙に跡が残りますし消し辛くなります。
消しゴムをかけるとこんな感じです。
たとえば犬などの動物を色鉛筆で描くときに茶色の下書きが出来るのは嬉しいですよね。
そのまま消さずに使うことができたりします。
植物の場合例えば葉っぱの葉脈を白く残したいような時にも便利ですね。
葉っぱの部分を塗ってからナノダイヤで描いた下書き線を消せば白抜きの線ができます。
但し上から色鉛筆を塗ってしまうとやはり蝋のコーティングができてしまって消せなくなります。
でも濃い鉛筆のように紙が汚れる、鉛筆の墨が色鉛筆の色と混じって汚くなるということは無いですね。
これも鉛筆同様少し内側(外側)を色鉛筆で塗っていく、もしくは下書きしたものを消しながら色鉛筆で描いていくという感じですね。
色鉛筆画をフリックス(消せる)ボールペンで下書きする
色鉛筆画で下書きを考える時、まず鉛筆で軽くああでもないこうでもないと大量の迷った線で下書きしたあとフリックスボールペンでこれが一番正解という線を思い切って引いて、鉛筆の迷った線を消しゴムで消すという下書きの仕方があります。
そのあとフリックスボールペンの線を消しながら色鉛筆で描いていきます。
私は透明水彩画でもこの方法を推奨しています。
但し透明水彩画の場合は普通のボールペンやコピック0.1mmを使います。
水彩画は下書きの線を敢えて見せるということもありますので線を消さないようにする下書きの仕方です。
水彩色鉛筆でもこの下書きの方法で描くこともできます。
初心者の方にとっては形を描くのがすごくハードルが高いのです。
(なのでトレーシングというやり方がありますし、一番気楽に楽しめるのは塗り絵です)
フリックスボールペンで描いたらそのあとその線をよけながら、もしくは消しながら色鉛筆で色を塗っていきますがこれも力強く書いてしまうとやはり描いた跡が凹んで残りますし消し辛くなります。
この下書きの方法が一番消すのに労力がいるような気がします。
まとめ
・色鉛画の下書きの方法はおおよそ7種類ある
・デッサン力にある程度自信がある人は鉛筆でいきなり色鉛筆画の下書きを軽めに
・デッサン力に自信がない場合は鉛筆トレースで下書き
・色鉛筆画の下書きトレースの仕方は濃い鉛筆とうすい鉛筆を使う2種類の方法がある
・モチーフを拡大・縮小したければグリッド転写による下書きをしてから色鉛筆で塗っていく
・カラーシャープペンシルで色鉛筆画の下書きをすれば消さなくても良いことがあるが消すこともできる
・フリックスボールペンによる下書きは鉛筆による下書きの迷った線を集約させることができるが消すのに結構労力がいる
でした。
参考になれば幸いです。
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