油絵を描いていると必ず直面するのが「絵の具の蓋が開かない」という問題です。
誰でもコンスタントに制作できる訳ではなく、時に10年以上描けなかったなどという場合もあります。
私などは色々な事情があって15年以上制作を中断せざるを得なかったのですが、制作を再開したときには油絵具の蓋(キャップ)は殆ど開かなくなってました・
制作活動再開はまずは蓋を開ける作業から始まりました。
ここでは絵具が固まって蓋(キャップ)が開かないときはどうすれば良いのかを解説していきます。
3種類の開け方と、それでも絵の具の蓋が開かないときの最終手段を紹介していきます。
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何故油絵具の蓋(キャップ)が開かなくなるのか?
そもそも何故油絵具の蓋(キャップ)が開かなくなるのでしょうか?
油絵具というのは他の水性の絵の具と違って空気中の酸素と結合することによって固まっていきながら乾いていくもので、乾性油が糊の役目を果たして顔料を画面に定着させていくものですから、これは避けられない問題ということになります。
でもどうにかして避けることはできないものでしょうか?
それは絵の具を出すたびにキャップとねじの部分をきれいに拭く、ということ以外にないのですがいちいちそうする人もめったにいないでしょうね・汗・笑
ここは開け方を知っておくしかないようです。
油絵具の蓋(キャップ)が開かない(固まった)ときの開け方
油絵具の蓋が開かないときはペンチで開ける
プライヤーがあれば左手にプライヤーを持って絵の具を挟んでやればもっと良いですが無ければ手でキャップの下の部分を持ってペンチで開ければ大抵の固まった油絵の具の蓋(キャップ)は開きます。
出来ればゴム手袋をすると良いですがうちのアトリエでは破れたゴム手袋を切ったものを置いています。瓶の蓋が開かないときにも使えます。
ペンチで油絵具の蓋(キャップ)を挟んで回します。
ネジの内部で固まった油絵具を破壊して開けるという方法です。
私は女で力が強いほうではありませんがこれで大抵は開きます。
力ずくの方法ですがそんなに力がいる感じではありません。
ではこの方法で開かなかったらどうしたら良いでしょうか?
油絵具の蓋が開かないときは蓋の部分を温める
小鍋にポットのお湯を油絵具の蓋の部分が浸かる程度(1㎝~1.5㎝程度)に入れます。
写真のように漬け込んで30秒ほど待ちます。
こうすれば手で開けることができます。
手で開けることが出来なかったらペンチで開けます。
それでも開かなかったら鍋のお湯を火にかけて温めなおして再度油絵具のチューブを温めます。
*絵具を突っ込んだ状態で火にかけてはいけません!
これを繰り返してみます。
これで開かなかったら・・
油絵具の蓋が開かないときは蓋の部分を火で炙る
これはなるべくやらないでいただきたい方法ですが一番時間はかかりません。
5~6秒程度で開くようになります。
ペンチで絵の具のおしりの部分を挟んでレンジの火でキャップの部分を炙ります。
周りに燃えやすいもの揮発性油(ペトロールやテレピン)が無いことを確かめてからやってください。
昔私は九州派の先生のアトリエでアルバイトしながら絵を習っていたのですがその時先生に教えてもらたのがこの方法でした。
九州派というのは超前衛の激しい人達ばかりでしたから絵の具の蓋(キャップ)の開け方も激しいものがありました・笑・
但しこの方法はキャップの部分がぐにゃりと変形したりするのでお勧めしません。
(勿論危険ですし)
でもこれやらなくても大抵お湯で温めるという方法で開きますよ。
油絵具の蓋(キャップ)が開かない時の最終手段
上記3つの方法を試してもどうしても蓋(キャップ)が開かない時は最終手段として次の方法で
油絵具を使ってください。
油絵具そのものは油が空気に触れない限り10年20年経っても劣化することはありませんが
もしも油と顔料が分離していたら使うときにパレットの上でよく混ぜてください。
蓋(キャップ)が開かない油絵具をチャック袋に移しかえる
もうこうなったら最終手段として蓋(キャップ)の開かない油絵具のお尻の部分をハサミで切ってしまいます。
100均に売っているこういうチャック袋を用意します。
チャック袋のなかに絵の具をお尻から入れ込む。
袋の中の空気を抜き、ほぼ真空状態にしてチャックを閉める。
端を少し切ってそこから絵の具が出るようにする。
絵具を出し終わったら切ったところをクリップで止める。
毎回少しずつ切らないと段々切り口が大きくなっていくという問題はありますが・笑・
それでも切り口のところで絵の具が固まっていきますから次はその端のほうを切るという感じです。
これで暫くは使えます。
蓋(キャップ)が開かない油絵具を空チューブに移しかえる
今時はこういう空チューブが売っています。
アマゾンなどで買えます。
これに中身を移して使うのがスマートですね。
でもこうするにしても一度チャック袋に移し替えて、細めに切った切り口から絵の具を入れていくのが失敗ないと思います。
写真は20ミリリットルチューブです。
油絵具の蓋が開かないという事態にならないようにするには
油絵具の蓋が開かないという緊急事態にならないようにするにはやはり日頃から蓋(キャップ)とねじの部分をきれいにしておくというのが一番ですね。
制作のときはまず最初にその日に使うであろう油絵具を最初にパレットの上のほうにだして並べるということをやりましょう。
そしてひとつだし終わるたびにキャップとねじの部分を拭くようにします。
途中で継ぎ足したくなったらアウトですが・汗・
そして時々絵の具の点検をして蓋がちゃんと開くかどうか試してみましょう。
うちの教室では生徒さんにはうちの油絵具や筆を使ってもらってますが私は時々全ての道具に目をとおして絵の具の蓋(キャップ)が開かないということになってないかどうか確かめることにしています。
ちょっと間があくと必ず開かないという絵の具がでてきます。
その都度温めて開けていますがついでに鉄筆で絵の具のチューブにこびりついた絵の具を取り除くようにしています。
蓋(キャップ)の内側についた絵の具も取り除きます。
油絵具は水性の絵の具のように濡れ色と乾き色が違う、といった不便さがなく、それそのものが空気と反応しながら乾いていくので描いたときの美しさが保てるという利点がありますが、そのこと自体が「絵の具の蓋(キャップ)が開かない」という不便さに繋がっていきます。
物事は何でも長所=欠点、欠点=長所的なところがありますがまさにこの問題はそれですね。
油絵具の性質をよく理解して起こりがちなことを予測しながら上手に使っていきたいですね。
まとめ
油絵具の蓋(キャップ)が開かないときの対処法
1 ペンチで開ける
2 お湯で温めて開ける
3 油絵具のチューブのおしりのほうをペンチで挟んで蓋の部分をレンジの火で炙る
(時間はかからないがキャップが溶けるし危険なのでおすすめしない)
上3つの方法で試しても開かないときの最終手段は
1 チューブのおしりの部分を切ってチャック袋に中身を移し替える
中を真空にして端のほうを切って絵の具を出す
2 空チューブを購入して中身を移し替える
でした。
参考になれば幸いです。
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